第14話 『014 吸血魔族アモン』

『014 吸血魔族アモン』


さっそく戦闘が開始された。


素早い移動で迫ってくるのは同じだな。


吸血魔族は素早いが、特にアモンは速い。


回避するのも苦労だ。


勇者オーディナルでプレイした時は、ステータスが高いから回避もできたが、悪役貴族のステータスでは遅すぎる。


回避というよりも逃げるのに近い。


鋭い牙は血を吸うのに適している。


俺の首を狙ってきていた。


「逃げていても終わりませんよ。まあ人族は逃げるしかないですが」


「ただ逃げているわけじゃないけどな」


攻撃パターンを知りたかっただけだ。


アモンは動きは速いが、動きには一定の行動パターンがあると攻略サイトに書かれているのは見ていた。


アモンは速いが必ずある地点に戻る行動を取る。


その地点から再び動き出すパターンだ。


それを探っているのをアモンはわかっていない。


そしてその地点は把握した。


「ふふふふ、終わりです。綺麗に血を吸ってあげますよ」


「そこに来ると思ったぜアモン、終わるのはお前だよ、オーガ斬り!」


「ぎぇええええ!! 人族に負けるなんて」


「俺は人族でも特殊なんだよ。すでに勇者パーティーも殺しているからな」


「そんな」


あっさりと死んだアモン。


行動パターンを読むのに時間がかかったが、それが把握できれば今の俺の敵ではなかった。





転移魔法を習得しました




「よし、転移魔法を覚えたぞ」


「ガイル様、あめでとうございます。アモンは死にました。村に帰りましょう」


「目的は達成した。下山するが歩く必要はない。転移魔法を覚えたからな」


「ガイル様だけですか。私も一緒に転移できますか?」


「できると思う。村に転移する」


転移魔法は取得できたのは大きい。


ゲームではあるのとないのでは大違いとなる。


ゲームでも勇者パーティーが一緒に転移できるので問題はないと思う。


魔法陣が作られる。


ゲームでは転移できる町は選択できるけど、俺の前に選択肢がでたので、村を選択した。









「凄い、村です。一瞬でした」


「転移は成功だな」


成功だな。


「うわああああ、どこから!」


「悪いな。転移魔法だった」


村の人を驚かせてしまう。


「あの、アモンは?」


「俺が殺した。もう吸血魔族はいないから心配はいらない」


「信じられませんね。アモンは誰も勝てません」


「証拠を見せてあげます、ほらアモンだ」


ニーナがアモンの死体を運んでいた。


村の人にみせてやると言って。


「うわああああ、アモンだ!」


「本当にアモンを殺したのかよ! 悪の貴族ガイルは強いぞ!」


「ガイル様に感謝しなさい」

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