第9話 『009 獣人ニーナ』

『009 獣人ニーナ』





私はニーナ。


奴隷商人の店で勇者オーディナルに買われた。


なぜそうなったかというと、貴族ガイルが勇者に泣きつけというから。


私は奴隷だし言われた通りに実行した。


勇者オーディナルは私を購入して開放してくれた。


これからは自由に生きろとなったから、私は町で自由の身になった。


勇者オーディナルはとても良い人だった。


どうせ勇者オーディナルは強い冒険者。きっとガイルは殺されるのが最後だろうと思っていたら、町で見てしまった。


なぜ生きているのか?


疑問だった。


勇者オーディナルは許したのかしら? 


でも許せない気持ちなのは、あの憎い貴族ガイル。


あの男だけは許せない。


違法に奴隷を販売して利益を上げていて、贅沢な生活を楽しんでいたのだ。


だからガイルを殺すと決める。


ガイル、あなたをこの爪で切り裂いてやりますからね。








俺は町に帰った。


本当は帰るのは避けるのも考えたが、俺の評判を調べるのもあった。


町の知り合いの情報屋に聞くと、俺は特に現状は追われていないとの情報だった。


勇者オーディナルが死んだことや、勇者パーティー3人のことも聞いたが、俺との関係はなかったから安心した。


俺が殺したという証拠はないし、目撃証言もないなら安心できる。


そこで酒を飲みたくなった。


今日は勇者パーティーも殺してしまいストレスと疲労で死にそうだ。


酒でも飲んでみたかった。


酒場に行った。


酒場で酒を飲んでいる。


ふとどこかで見覚えのある女がいた。


獣人の女だった。


「どうも、ニーナです」


「ニーナ? 奴隷商人の店の女か?」


「そうです。勇者オーディナルから開放されて自由になりました」


「自由にか、良かったな」


店の女であった。


俺がサブストーリーに変更させるために、泣きつかせた女だ。


自由になっていたのは知らなかったが、なぜ俺のところへ来たか。


酒場で一緒に酒を飲んだ後に外に出る。


ニーナはなぜ奴隷になったのかは俺には話さないが、俺も聞かなかった。


だがニーナは腕輪を取って欲しいと言ってきた。確かに腕には腕輪があった。


腕輪はファッションもあるが、たいていはステータスの上昇や軽減が目的だ。


自分から取れというのは変である。


しかし俺は魔剣ライゼンで腕輪を切断してあげる。


「腕輪は切断した」


「ありがとう。痛かったのよね」


「そうか、サイズが合わなかったのか」


サイズが合ってなかったらしい。


「ふふふ、ガイル、私はあの店で奴隷だったのは、あなたのせいです。恨みは返すわね、獣人は人族とは違い、強いんです!」


ニーナは長い爪があった。


しかも人族の姿から獣の姿へと変わった。


マジカよ!


獣人の中には獣になれるものもいるのはゲームでもプレイしていて存在はあったが、ニーナがそうなるとは予想外。


「俺は死ぬわけにはいかない。死ぬのはニーナだ」


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