第4話 『004 ダンジョンへ行く』

『004 ダンジョンへ行く』


町を出ると魔物が出る。


本来の貴族ガイルの強さではスライスですら倒せない程に弱いキャラ。


オーガ斬りでならスライムも楽勝だった。


出現する魔物を切り続けるのはゲームでやっていたのと同じだった。


でも違うのは死んだら本当に終わるということだろう。


ゲームではまた再開できるけども、転生した世界では死ねば俺の人生は終わる。


スライムが10匹、また10匹討伐。


オーガ斬りの強さはプレーヤーの時に知っているが、ここまで強いとは驚きだった。


弱小貴族ガイルでここまで魔物を切れるのは恐ろしくなった。


「やっとダンジョンに到着。遅れたな」


土地の知識がない分だけ予定よりも到着は遅れた。


俺が目指すのはダンジョンの最下層だ。


そこには俺が絶対に取らなければならない魔剣ライゼンがある。


逆に勇者オーディナルは絶対に取らせてはならない武器だった。


ストーリーは変更されてサブストーリーとなった。


ここからが俺の本当の勝負どころだな。


「スライムの次はキノコか」


このダンジョンで登場する魔物はジャイアントキノコ。


巨大なキノコの魔物。


スライムよりも強いし、攻撃力も上。


ジャイアントキノコをオーガ斬りで切り裂いて階層を進む。


ジャイアントキノコは苦戦はしなかったが、数が多かった。


ここまで来る時に30匹は討伐した。


時間はかかったがダンジョンの最下層まで来れた。


急ぐのは勇者オーディナルの存在だ。


プレーヤーにとっては貴族ガイルに魔剣ライゼンを取らせては最悪になるからで、俺がプレイした時は魔剣ライゼンによって殺されたのを覚えている。


あれはマジでヤバかった。


設定を考えたのはゲーム会社だが、酷いストーリーだった。


ネット上でも炎上していたかな。


「よし最下層だ、これで魔剣ライゼンを取れるな」


「待てよガイル」


俺を呼ぶ声。


この声は聞いた声だった。


会いたかった声じゃない。


「勇者オーディナルか?」


「ガイルがこのダンジョンへ来るのはわかっていた。魔剣だろ目的は。しかし魔剣ライゼンはガイルには渡せない。俺がここで破壊するからな」


「もう来たかよ、勇者オーディナル」


来たかって感じ。


俺がダンジョンの場所がわからないから時間がかかったのが原因で遅れた。


その分だけ勇者オーディナルに追いつかれた形だ。


もっと早く到着できれば魔剣ライゼンを俺が取れたのにと後悔する。


魔剣ライゼンなしでは勝てない。俺に勝ち目はない。


「残念だったガイル。死んでもらう。悪どい商売は滅んでもらう」


「クソ、ここまでか」


せっかく異世界転生したのに、もうエンドかよ。


「死ねガイル!」


「ガイルさん、使ってください」

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