第3話 『003 勇者オーディナルと戦う』

『003 勇者オーディナルと戦う』


俺が仕込んだのは奴隷の獣人の女が勇者に泣きついて同情させることだ。


とにかくここから出たいと泣いて購入させるように仕込んだ。


そこら辺は悪役なキャラだからできる。


予定通りに勇者に泣きついて困る勇者。


勇者はその女を購入すると決めるも、店主のケアズは許せないとなった。


「店主、お前は生きていてはいけない。俺が殺す」


「ひええええええ、お助けを!!!!」


「だめだ、死ね」


「ぎゃあああああ、ガイルさん、お助けを!」


奴隷商人ケアズは死んだ。


勇者に切られれば商人など瞬殺だけど、画面と違うのは人が殺されるのは強烈だった。


俺の名前を呼ぶのでサブストーリーに変更だな。


これでいい。


俺の望んだ方向にいる。


そしてここで俺に変化がある。





オーガ斬りを覚えました





「よし、オーガ斬りを覚えたぞ」


オーガ斬りは絶対にプレーヤーが敵に覚えさせてはいけないスキル。


「貴族か?」


「俺はガイル。勇者とは争いたくはない」


一応は聞いてみるのは、オーガ斬りを覚えてもまだこの時点では勇者オーディナルには勝てないから。


勇者オーディナルの強さは知っているが、元が弱い貴族ガイルでは勝てないのだ。


「許せないな、お前も悪徳な商売人な貴族ならば、奴隷商人と同じく死んでもらう」


「死ぬわけにはいかない」


俺は剣を構えた。


勇者オーディナルは魔法を放ってきた。


火の魔法だったが、オーガ斬りで火を消し去る。


「消した? オーガ斬りだと? 俺の魔法を。お前は何者だ」


「俺は貴族ガイル。お前とはここで戦うのは避けるよ」


「待てガイル!」


俺は店内での勇者オーディナルとの戦闘になったものの、逃亡した。


これでいいのだ。


なぜなら戦ってもまだ勝てない。


死ぬのは俺の方だった。


奴隷商人の店から出て俺は町を出るとした。


町にいると勇者オーディナルと遭遇してしまう。


サブストーリーではまだ話は終わっていなくて、町の近くにあるダンジョンにて進む。


ダンジョンには魔剣ライゼンがる。


このライゼンをガイルが取ると、もはや最悪の展開になるから、絶対に取らせてはいけないと攻略サイトにはある。


なぜダメかと言うと魔剣ライゼンを取ってオーガ斬りをすると勇者をも超える強さになるからだ。


だから俺が目指すのは魔剣ライゼンを取るしか無い。


それ以外は勇者に殺される運命だ。


俺はダンジョンへと向かうとした。


しかし問題が起きる。


「ダンジョンがどこにあるか、わからないな」


ゲーム世界に来て何もわからない状態であり、ゲームではマップは見ていたが、実際には場所を把握できていないのでダンジョンに到着は遅れそうだ。


「魔物かよ、スライムだな、オーガ斬りで進む!」

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