第2話 『002 奴隷商人ケアズ』
『002 奴隷商人ケアズ』
「ガイルさん、今日は良い子が売れました、ひひひひ」
「ケアズか?」
「そうです」
「奴隷商人を売っているのか?」
「あなたのおかげです。あなたは貴族ですから、その人脈で金持ちが買いに来ます。今後も一緒に店を経営しましょう、ひひ」
「ああ、そうだな」
こいつは奴隷商人ケアズ。
確かにゲーム世界には登場したキャラだったから覚えている。
悪役貴族ガイルと一緒に奴隷を密かに密売している悪どい男だったが、目の前で見るのは初めてだった。
いかにも悪そうな顔している。
まあ俺も人のことは言えないくらいに最低な貴族だけどな。
ケアズの奴隷店に行った。
こうなると俺が悪役貴族ガイルに転生したのが確定したわけである。
店には可愛い女性がいて、貴族や金を持っている冒険者、商人も買いに来る。
ゲームの画面とは違い、女性を見るとムラっとしている俺。
しかしムラムラしている場合じゃないのは俺が危険になっているてことだ。
ゲームのプレーヤーは勇者で町に来る。
ストーリーでは勇者オーディナルは奴隷商人を違法に経営しているので奴隷商人ケアズを拘束してしまう。
そこで悪役貴族ガイルが登場。
ガイルは勇者に殺されるというストーリーだ。
つまり俺はゲームストーリーでこの後に殺されるわけだ。
俺は有利なのは実際にゲームをプレイしている点だ。
攻略サイトでも見ている。
「俺は殺されるな」
死ぬのは確定している。
転生して直ぐに死ぬのか。
嫌だな。
死にたくない。
でもゲームである以上はストーリーで進んでくるだろう。
しかし別のストーリーもあるのを知っているの。
メインのストーリーでは勇者のプレーヤーに殺されるけども、勇者が店で奴隷を購入するとサブストーリーに移行する。
そのサブストーリーでは勇者が奴隷を買い、奴隷商人を拘束ではなくて殺す話に変更。
ここで貴族ガイルにも変更があり、強烈なスキルを習得する。
「オーガ斬りだったな、あれはヤバいスキルなんだよな」
オーガ斬りは特殊レアスキルで、ガイルが覚えると後に異常な程に強くなってしまい勇者は勝てなくなるという最悪な展開に発展することから、サブストーリーに進んではいけないと攻略サイトでも書いてある。
逆に言えば俺がサブストーリーにすれば生き残れるとも言える。
だから俺は悪役っぷりを発揮する。
奴隷の女を使い勇者にサブストーリーへと変更させることで生き残れる。
「いらっしゃいませ」
「この店は奴隷を違法に商売しているな。違法な取引は許されない。店主を拘束する」
「私が店主のケアズですが、あなたは冒険者ですか?」
「俺は勇者オーディナルだ」
「勇者オーディナル!」
来たな勇者オーディナル。
思った通りにストーリー通りに来た。俺もプレイしたから覚えている。
このままではメインストーリーのままだ。勇者オーディナルに奴隷を買わせる方へ行かせる。
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