19話 (過去)
2ヶ月後…
病院でソワソワと待っている三人は左から優斗、父、陽。彼らは母と赤ちゃんに会いに来ていた。
「ねえ、お父さん!赤ちゃん早く見たい!」
「そうだな!陽も早く赤ちゃんみたいか?」
「うん!みたい!」
「そうかそうか。」
「赤ちゃんってほっぺぷにぷになんだよな~。陽みたいに!」
「ユウにいやめてよ!っもう!」
「ごめんごめん。」
「お前たち仲が良いな。」
「「なかよくない!」」
「ほら、仲良しじゃないか。」
「違うのに…。あ!そうだ陽。お前は妹にイタズラするなよ。お前のせいで俺と美弥が虫嫌いになったんだから。」
「しないしない。だって僕の妹だもん。」
「美弥ちゃんや優斗ならいいのか、陽?」
「うん!だってとしうえだし。」
「…やめてあげなさい陽。お兄ちゃん可哀想だろ」
「そう?」
「おいっ!そりゃないだろ?」
ガラガラ
ドアから看護師が出てくる。
「姫口様。中へお入りください。」
「赤ちゃん、早く見なきゃ!」
「優斗、走らないの。あと、お母さんにお疲れ様っていうんだよ!」
「は~い。…うわあ!始めまして、僕は君のお兄ちゃんになる姫口 優斗だよ。これからよろしくね!」
「ふふふ、優斗と陽、赤ちゃん可愛いでしょう?」
「うん!母さん。とっても可愛いよ。お母さんも出産お疲れ様!」
「由美子、出産お疲れ様。」
「優斗もあなたもありがとう。さあ、お父さんも陽も赤ちゃんを見て」
「このこがぼくのいもうと?おててちいさいね!」
「そうね。」
「この子が俺の娘!かわいいな。男ばっかだったから甘やかしすぎちゃいそうだ。」
「僕達も甘やかしていいんだよ?」
「いや、二人には頼れるお兄ちゃんになってもらうためにビシバシいくからな。」
「え〜。陽の時はビシバシしてなかったけど。」
「そうだったか?」
「えこひいきだ!」
「…ところであなた。この子の名前決めるんだ!って言ってたけど決まったの?」
「もちろん!この子の名前は前から決めてたんだ。
この子の名前は………綾香。姫口 綾香だ!」
「かわいい名前だね!」
「まあ、いいわね!綾香って名前に込められた意味とかはあるの?」
「あるよ。まず、綾香の綾っていう字には美しい、彩り、上品っていう意味があるんだ。そして香にはにはかぐわしい匂いっていう意味があるんだ。だから美しく、上品で周りを元気にするような、人が自然と集まってくるような子に育ってほしいという願いを込めているんだ。」
「いい名前ね。じゃあこの子の名前は姫口 綾香で決定ね!」
「綾香!改めてこれからよろしくね!」
「あやか、ぼく、ひめぐちよう!あやかのおにいちゃんだよ!これからなかよくしようね!」
「綾香、君のお父さんだよ。これから楽しい思い出いっぱい作ろうね!」
「「「「あっ、綾香が笑った!」」」」
家族の誰もが笑顔で、和やかだ。病室内は温かい空気で包まれていた。
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