18話 (過去)

「いや、ちょっと4人で将来やりたいことについて話そうかなって。」


悠二は苦いものを食べたような顔をして言う。


「将来、やりたいことについて?なんか、固そうな内容だな。俺、固いの得意じゃないんだけど…。」


美弥は腕を組みながらチラッと優斗を見て言う。


「そうね。私もあまり、得意じゃないわ。」


沙羅は両腕を胸のところまで上げて言う


「うんうん。せっかく公園来たんだし、みんなで遊ぼうよ!」


優斗は慌てたように言う


「違う違う。そんな固くない話だよ!」


「へえ、じゃあ話だけ聞くか。」


「優、かわいそうだから聞いてあげる。」


「…じゃあ、ちょっと遊ぶの待ってあげる。」


「…ありがとう。俺が話したいのは4人でなんかやることを決めない?って話。」


美弥が少し頭を傾げて聞く。


「その話と将来について何が関係あるの?」


「いや中学生って新しい友達とかもできて、きっと今みたいに遊ぶことも減るだろ?それに加えて高校生になったら、皆はもっと離れ離れになるだろうし。だから、俺達が高校を卒業したら、何か4人でしたいなって思って。どうかな?」


「良いわね。それ。」


「楽しそう!」


「俺達の友情が試されるのか…。楽しそうだな。」


「じゃあ、皆は何したいの?」


「俺は歴史的なものが見たいな。かっこいいんだよな。」


「私は…食べ物を沢山食べたい!まだ食べたことない物が色々あるから。」


「沙羅は相変わらず食いしん坊だな。」


「うるさいな〜。悠二だっていつもいっぱい食べてるじゃん!」


「沙羅とは次元が違うわ!お前のほうが俺の3倍食べてるくせに。」


「あはははは…そうだっけ?ところで美弥は?」


「私?私はゆ…。」


「ゆ?」


「な、なんでもないわ。そうね、私が4人でしたいことは皆でテーマパークで遊ぶことよ。」


「え、なにそれ、楽しそう!」


「ちなみに俺は皆で世界中を旅したいな。」


「ナイスアイデア!優。それなら俺達がやりたいこと全部できるな。」


「確かに!じゃあ、これでいい?」


「「「賛成!」」」


優斗達は円陣を組む。そして手を合わせる。優斗は3人を1人ずつ見る。優斗は大きな声で言った。


「大人になったら4人で世界中を旅しよう!」


「おう!」


「約束ね。」


「いいね、それ」


その公園はしばらく笑い声で包まれたのだった。

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