配信目線

7話 (配信目線)

 配信開始まであと5分



ーあともうちょっと

ー何があるんだ?

ーカスナちゃん、昨日も配信してたよね。

ーまさか、やめるとか…じゃないよね?!だれか、違うといって!


 待機所ではカスナのファンが待機していた。チャットは「カスナ、やめる説」「重大告知説」「サプライズ説」など考察をして盛り上がっていた。


ーおい、皆そろそろ始まるぞ。

ーどきどき(・_・v)

ー何が始まるんだ...


・・・5 


ーもうそろそろ


・・・4 


ー来週まで見れないと思ってたのに。うれしすぎ。


・・・3


ー今日は何するんだろうな


・・・2


ー昨日のププサバイバー、速攻ゾンビにやられてたよな。


・・・1


スタート



…………。





ーん?なんか部屋が映ってる?どゆこと?

ー?????????????????????????

ー( ゚д゚)

ー何も起きないけど

ーてか、誰もいなくね?

ーほんとだ

ーもしかして、放送事故?


扉の音が聞こえる

ガチャ


「ただいまー。綾香、帰ってきたら一番にすることはなーんだ?」


「てをあらう!」


「ピーンポーン!綾香、正解。じゃあ、手を洗いに行こっか」


ーだれ!?

ー男の声がする

ーあやかってもしかして…

ー嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ。

ーいや待て、しゃべり方がなんか小さい子に言うみたいだぞ

ー確かに、もうちょっと見てみるか…


「ゆうにい。おなかすいた。」


「戸棚にお菓子あるけど食べる?綾香の好きなやつ買っておいたよ」


「やったー!ゆうにい大好き」


「ふふふ。じゃあお菓子取りに行っておいで。あっ。手を先に洗ってからね。」


「はーい」


ーお兄ちゃんって言ったよね?カスナちゃん実家住み?

ーよかった。カスナちゃんの彼氏じゃなかった。

ーでもなんか幼い声だな。

ーこれってもしかしなくても放送事故だよね…

ーもしかしたら、生カスナちゃん見れるかも。

ーいいなwそれ。でも見たいような、見たくないような複雑な気持ちだな

ーなんか、足音近づいてきてない?


とたとたとた


ーえ

ー滅茶苦茶ちっさい

ーこれはカスナちゃんじゃない

ーどう見たって3、4歳だな


「保育園から帰ってきたばっかりなのに。めちゃくちゃ元気だな。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る