4話
午後8時
3…2…1…スタート
「あ、あー。皆聞こえてる?」
ー大丈夫
ーおk
ー聞こえてるよ〜
ーきたきたきた!
「大丈夫そうだね!じゃあ、配信始めよっか。いつも
観てくれる人も初めてだよっていう人も今日も一日お疲れ様!今日はゲーム実況をするよ」
…この声の主は俺こと姫口優斗だ。
この画面の向こうで動いている可愛い系の少女は桜川 カスナ。桜の木から生まれ、人間世界を見るために地上に降りてきた。年齢は不詳。髪と目が淡いピンクで思わず春を連想してしまう。ちなみにリアルの俺は黒の髪と目だ。
訳あって女Vtuberをしている。週に一度の配信だけど結構人気がある。男女比は9:1で男性の人気が高い。視聴者さんは温厚で優しい人ばかりだから結構落ち着く場所になっている。声は幸いあまり低くないから、裏声を使っている。
「ゲーム何しよっかな~。皆、なんかおすすめのゲームとかある?」
ーププサバイバーとかどう?
「いいね!さっそくダウンロードしてみよう。
じゃあダウンロードまで雑談・質問コーナーをするね」
ー\(//・v・)ハイ いまいくつですか?
「私は今、じゅ…よ、妖精って長生きだからね。私も自分の年齢を忘れちゃった。たぶん桜の木と同じ年齢だと思う。」
ーwww
ーあれっ(笑)
ー年齢言いかけた?
「な、なんのことかな?あっダウンロード完了したから早速プレイしよう!」
ーそらした
ーじゅう…なんだろ18とか?
ーo(・ー・)
「あっ、みんな見てみて、シューティングゲームなのかな?銃がある。うわっゾンビみたいなのも襲ってきた!…えっやられたんだけど」
ー弱っ
ー道中のアイテムを拾ってゾンビに向けて撃ってください
ー開始3秒ww
「もう!笑わないでよ。なるほど道中に落ちていたのを使えばいいのか。教えてくれてありがとう!」
ー30分後
「今日も観てくれてありがとう!来週も見てね」
ー今日も楽しかった
ーまた一週間待つのか(´・ω・`)
ーお疲れ様!
ブチッ 俺は配信を切る。
パソコンの電源を落とし、椅子から立ち上がり外に出る。そういつも通り…いつも通りのはずだった。
鍵をかけ忘れていたこと以外は。
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