トラック2:機材に水がかからないように、海の音を撮ろう!【波の音、水遊びの音、タオルで頭なでなで】

(時間場所:海に入れる海岸公園)

(SE:波の音、フェードイン、トラック内ずっと続ける)

(SE:アタッシェケースを下ろす音。ゴトッと少し重め)


(位置:正面、近く)

(はしゃいだ声で)

さて、早速マイクの準備だよ。いそいそ……。

(SE:ジッパーを開ける音、マイクスタンドを出す)

ほいほいほ~い♪

(SE:金属の棒が擦れる音など、マイクスタンドを組み立てる)

とん! よしっ、倒れないね。

(SE:アタッシェケースを開ける音、カチッとロックを外す、二回)

はい、頭を載せるよ。

次はオーディオインターフェイスやらもろもろと繋いで……。

(SE:プラスチック同士がぶつかる音、ゴム製品同士がぶつかる音、軽く、雑にがさがさ)

これつないで、こっちがこれで、

こっちはいつもと違ってこれで、

今日は風が弱めだから設定はこう……。


(きょとんとした声で)

うん? お手伝い?


(明るい声で)

いいのいいの。

キミは機材を持ち運んでくれるだけで、

十分すぎるほど働いてるよ。


(やさしい声で)

こういうとき休んでほしいな。


(SE:プラスチック同士がぶつかる音、ゴム製品同士がぶつかる音、軽く、雑にがさがさ、続ける)

(SE:布が擦れる音、後で出てくるタオルが出される)

(5秒ほど息づかい。少し迷った感じ)


(甘やかす声で)

いいのいいのっ♪

重い荷物を持ってもらってるのに、

あまり大変なことは任せられないよ。

ここから今日泊まるホテルまで、

1、2、3、4ヶ所も行きたいところあるんだから。

さすがに日が落ちてきたら収録はおしまいだけど、

それまでに音をたくさん録りたくて、

キミのこと連れ回すんだからね。


(SE止め:プラスチック同士がぶつかる音ここまで)


(自慢げな声で)

はい、そんな説明をしてる間に準備完了っ♪


(甘やかす声で)

……まじまじと見ちゃって、

わたしがキャッキャウフフする様子がたのしみなの?

かわいい♡


(甘える声で)

そんなかわいいキミに、もうひとつ、お願い♡

マイクが風で倒れたり、

機材が砂まみれになったり、海にドボンしたり、

水がかかったりしないようにしてほしいの。

うん、マイクのそばに立ってて。


(気づかう声で)

キミの息づかいとか入っちゃうのは

こっちで編集するから気にしないで。


(照れた声で)

切り取って自分用にするから、えへへへ♡


(SE:足音、砂の上をゆっくり歩く音、ヒロインが動いている)

(位置:左、近い)


(少し申し訳ない声で)

それよりもさ、わたしと海で

キャッキャウフフできると思ったかもなのに、ごめんね。


(SE:足音、砂の上をゆっくり歩く音、ヒロインが動いている)

(位置:右、近い)


(少しえらそうな声で、照れ隠し、申し訳なさあり)

でも、わたしがASMR最優先で考えちゃう女だって、

わかって付き合ってるんでしょう?

埋め合わせはするからさ。


(位置:右、至近)

(声:ささやき、有声、ここのみ)

(気づかう声で)

ん、ありがと。

でもちょっとくらいなら残念な顔していいのに……。


(SE:足音、砂の上をゆっくり歩く音、ヒロインが動いている)

(位置:左、近い)

(明るい声で)

ところで、どんなお話かって?

ある程度はお話の流れをあらかじめ考えてあるんだけど、

基本アドリブ劇。

つまりは……わたしがキミとしたいこと。


(位置:左、至近)

(甘やかす声で)

あ~、これはドキッとするんだ。かわいい♡


(位置:正面、近く)

(いたずらな声で)

……さっさと収録始めろって?

うん、じゃあ、マイクと機材のことよろしくね。

あ、靴も脱いで海に入るから、ぬぎぬぎ、これもよろしく。

マイク入れるよ。


(SE:足音、砂と水を踏む、ゆっくりと)


(位置:正面、中距離)

(明るい声で)

海ひんやり~。

(SE:水の音、海に足を入れたり出したり、遊ぶ感じ)

波にくすぐられてるって感じするねぇ。


(はしゃいだ声で)

海に入っていいのかって?

荷物にタオルも入ってるし、大丈夫大丈夫♪


(おだやかな声で)

それにしてもさ、

ふたりで海に来るの久しぶりだよね。

現代人は忙しい忙しいで、

わざわざ予定を立てないと海にも来れない。

だからこそ今日は、

キミと思いっきりいちゃいちゃしようって決めてるよ。


(少し不満な声で)

海水浴シーズンは終わっちゃったから、

足しか入れないけどね。

それに最近の夏は暑すぎるから、

仕事だなんだで、やることやってあとは

ダラダラ~で終わっちゃったじゃん。


(SE:水の音、海に足を入れたり出したり、遊ぶ感じ)


(位置:正面、近く)


(いたずらな声で)

キミなんか物足りないって顔してる~。

(位置:左、近い)

もしかして……、

(SE:足音、砂と水を踏む、ゆっくりと)


(位置:左、至近)

(声:ささやき、無声、ここのみ)

(色っぽい声で)

わたしの水着が見たかった?


(位置:左、近い)


(いたずらな声で)

でもざ~んねん、おニューの水着はないの。


(位置:正面、近く)


(ため息交じりの声で、暑そうに)

買い物に行ったら、

飲み物とか暑さ対策グッズばっかり目に入って、

水着のことを考える余裕なかったもん。

もしおニューの水着があったら、

海やプールに行かなくても、

お家で見せてあげるつもりだったんだよ。


(明るい声で)

でもでも、おしゃれで涼しいスカートの彼女が、

海で楽しそうなことしてるのは絵になるっしょ?

くるくるくる~。


(甘える声で)

ほ~ら、アニメ映画のワンシーンみたい。

ピンとこない? それならさ――


(SE:足音、砂と水を踏む、ゆっくりと)

(位置:正面、中距離)


(明るい声で)

こんな絵を見たことない?

それっ♪ ぱしゃぱしゃ~。

(SE:水の音、水をかける)


(いたずらな声で)

えへへへ♪ 油断してるからだよ~♪

それそれっ♪

(SE:水の音、水を掛け合う演技、続ける)


(たのしい声で、水を掛け合う演技)

きゃっ! やったなぁ!?

調子に乗ると服がビショビショになるぅ?

ほ~ら~わたしのせいにしないの。


(SE:水が跳ねる音、強く)

(SE:水の音ここまで)

(SE:足音、砂と水を踏む、足早に、『キミ』がマイクを守るために動く)


(位置:正面、近く)


(あわてた声で)

あっ!? ご、ごめんね、やりすぎちゃった。

マイクは無事……って言うキミの顔がずぶ濡れじゃん。

タオルタオル。はい、ふきふき、ふきふき……。


(SE:髪、布がこすれる音。『きみ』が動く音、やさしくタオルでなでる、続ける)


(位置:正面、至近)


(とてもやさしい声で)

すりすり、マイクを守ってくれてありがと。

キミの動き、かっこよかったよ。えらいえらい。


(10秒ほどやさしい息づかい。『キミ』の話を聞く)


(少し不満な声で)

キミの言う通り高級機材だから

守られて当然かもだけど……、

それを認めちゃうと……その、

キミが大事じゃないみたいで、なんか違う……。


(5秒ほどやさしい息づかい。『キミ』の顔を見つめる)


(申し訳ない声で)

わかってるって顔してさぁ。

もしこれが大事故だったら、

キミの命のほうが大事って怒る場面なんだよ?

でも今回はこれで許してほしい。


(SE:布がこすれる音。『キミ』の頭をタオルで拭く、やさしく、続ける)

(10秒ほどやさしい息づかい)


(やさしい声で)

いいこいいこ。

わたしの恋人はすごい頼りになるよ。


(10秒ほどやさしい息づかい)

(SE止め:タオルの音ここまで)


(位置:正面、近く)


(明るい声で)

よし、キレイキレイになったねっ。


(おだやかな声で)

一応マイクもふきふきしなきゃね。


(位置:左、近い)


(SE:布がこすれる音。ダミヘマイクをタオルで拭く、続ける)

(10秒ほどやさしい息づかい)


(不思議に思った声で)

……なんかキミ、物欲しそうな顔してる。

もしかして、もっとタオルでなでなでしてほしかった?


(甘やかす声で)

自分で拭くからいいって、強がらないのっ♪

ちょ~っと待っててね……。

はい、おしまい。

(SE止め:タオルの音ここまで)


(やさしい声で)

おまたせ♡ ほら、頭貸して。


(位置:左、至近)

(SE:布がこすれる音。『キミ』の頭をタオルで拭く、やさしく、続ける)


(愛情のこもった声で)

ふきふき、なでなで、いいこいいこ。

マイクを守ってくれて本当にありがとうね。

えらいえらい……。

このマイクじゃないと配信できないってことはないけど、

出せる音とか、クオリティが下がっちゃうし……。

だからキミが、わたしのしたいことを守ってくれたんだよ。

それがとぉってもうれしいの。

いいこいいこ……、すりすり……。


(SE止め:タオルの音ここまで)

(位置:左、近い)


(うっとりした声で)

キミもうれしい? よろこんでもらえてよかったっ♡

さ、トラブルはあったけど、逆にいい感じになったから、

ここでの収録はおしまいっ。


(位置:正面、近く)


(明るい声で)

次の場所に向かうよ。

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