人形の髪
天川裕司
人形の髪
タイトル:人形の髪
ある日、マンホールに
子供が頻繁に落ちるという事件が起きていた
開いてないと思っていたマンホールの上を歩こうとした時、
何故か開いており、そのまま落下してしまう。
運良く助かる子もいれば、運悪くそのまま…という子もいた。
そこの工事を請け負った業者に当然
警察から捜査が入り、思いきり叱られ
責任を取らされそうになっていたが、
業者は全員が全員、口を揃えて
「マンホールのふたが開いているなんて事は絶対にない」
と断固、訴えていた。
でも確かにそうだろう。
マンホールのふたが開いているなんて、普通、工事の時しか考えられない。
それに開いてれば少し遠目からでもわかるだろうし、
空いてるマンホールに足を踏み入れる子なんてまずいないだろう。
そもそも、開いてるマンホールの上を
歩こうとすること自体がおかしいのだ。
「なんでこんな事件が起きてるんだろう?」
やがて疑問の焦点はそこになった。
そして僕は少しそういうのに興味を持つ少年だったから、
ある日から、最寄りのマンホール全てを調べようと思った。
自分はマンホールの上を歩く事は絶対にせず、
それでもマンホールの上を
平気で歩こうとする子だけにスポットを当て、調べてみた。
「あ!落ちた!!」
するとある日、また1人の子がマンホールに落ちた。
僕はすぐそのマンホールに駆け寄り、中を覗こうとした。
救助しなきゃ!と言う気持ちも当然持ち合わせた上で。でも…
「あれ?開いてないじゃん…なんで…?」
確かに開いてるには開いていたのだが
ほんのわずかしか開いていない。
マンホールの蓋がちょっとズレてる、程度の感覚。
「こんなわずかな隙間から子供が落ちるわけがない」
僕はすぐ近所のおっちゃんおばちゃんを呼びに行き、
警察とかレスキューとかも来てくれた。
その直後、僕らは恐怖のようなものを見たのだ。
ふたを開けると、下へ続く階段のような手すりのところに、
なぜか人形が1つ引っかかっていた。
しかもその人形、髪の毛で
その手すりに引っかかっていたのである。
そしてみんなが見た瞬間、するっと言った感じに
髪がほどけ、そのまま人形は暗闇の中に落ちていった。
さっき落ちた子は助かったようだけど、
一緒に見つかるはずの落ちた人形は
どこを探しても見つからなかったと言う。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=Mb_KkuzViLc
人形の髪 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます