Ex. モーニングルーティン


「──んっ、んん……おはよぉ、


「ふぁぁ〜よく寝たなぁ〜。どれくらい寝たんだろ。いつ寝たのかももう覚えてないや」


「えっ、もう起きるの? 寒いからお布団剥がさないでよぉ〜」


「だって、そのまま寝ちゃったんだもん。あなた裸のくせに、なんで外に出れるのよ〜」


「そ・れ・に……まだいつものあれ。してないでしょ?」


「何って毎日してるでしょ〜……おはようのチュー」


「しないとベッドから出ちゃダメ。ずっと続けてることでしょ?」


「──ん」



「……んー、まだー?」


「ちょっと焦らさないでよっ、ん……んん……」


「んあっ……! んーん、んん、んぅ〜」」


(お互いの唾液が絡み合う)


「……んふぅ〜、もう。ほんとあなたってそういうのガッツリだよね。ちょっとSっ気あるっていうかさ〜」


「ねぇ、二度寝しちゃお? 今日は仕事休みなんだしさ」


「寒い冬の朝は、抱き合って眠るものなの。ほら、雪山で遭難した時に凍えないようにってお互いの体温で温め合うじゃん。幸せそうな顔してたの映画で観たよ〜」


「あれって、そのまま死んじゃうやつだっけ……まぁ、そんな細かいことはいいの!」


(侑芽は被っている布団を持ち上げて手を広げる)


「……はやく。寒いし、眠いし──直接見られるのは恥ずかしいんだから、早くギュッてして」


(ごそごそと布団の中で動き、侑芽とギュッと抱き寄せる)


「あったかい……あなたの体温を肌で感じる」


「あっ……、もう、あなたはいっつもそこ触るよね。ほんと、えっち〜」



「──んー、好き。毎日一緒に寝られてすっごく幸せ。責任、取ってくれたね」


「ねぇねぇ、このまま目を瞑る? それとも……昨日の続きでも、しちゃう?」


「両方? ……昨日と同じ答えじゃんかー。わかった。どっちもしちゃおっか」


「まずは、もう一回ちゅっ」



「えへへ……あなた、大好き──」



   ◇ ◇ ◇



「──すき、だよぉ……んんー……もう一回、ちゅうして……」


(迫る久寝を避けられず、現実でも再びキスをする)


「んー……あれぇ、ゆ、め……? おはよう、あなた……あなた? ふぇ?」


(外から蝉の声が聞こえる夏の朝)


「うはぁ……なんか変な夢見てたみたい……」


「内容? うーんと、私と君が夫婦になってて、まぁ一緒に寝てる夢、みたいな?」


「予知夢になるのかな……? えっへへ、嬉しいなそう言ってくれて」


「他に? えっとぉ、そのぉ、ま、それは追々ね! うん!」


「……でも、二人でずっと続けてることはあったよ。それは……おはようのちゅう……」


「ねぇねぇ、今日からさ、始めてみない……?」



「……うん、わかった目を瞑る。あと、ギュッともして」



「んんっ」



「……へへ、おはよう♪」

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ひるねぶ 〜不眠な彼女に枕仕事を依頼されている。物理で〜 杜侍音 @nekousagi

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