第6話 期待したのにな

(お風呂に入ってる主人公)

(ちゃぷんと水の音が響く)


(扉をノックする音)

(お風呂の扉の前から話しかける千歳)


「ねぇ、今何してる? オッケーお風呂に入ってるのね。なら」


(扉を開ける千歳)

(驚く主人公。湯船がさらに揺れる)


「あんたの頭を洗いに来ました⭐︎」


(主人公、追い払おうとする)

(水が揺れる)


「えっ出ていけって? せっかくきたんだからそんなこと言わないでよ。もう、つべこべ言わない、頭こっち向ける!」


(しぶしぶ千歳の方へ頭を向ける主人公)


「ふふっ物わかりがよくて助かるわ。じゃ、さっそく洗っていくわね」


(千歳、シャンプーをプッシュする)

(手に出したシャンプーを泡立てて、主人公の頭を洗い続ける)


「どう、力加減わ。強くない?」


(頷く主人公)


「そう、それなら良かったわ。んっあんたの頭皮かなりカチカチね。これはほぐしがいがあるわね」


「痒いところはない? 大丈夫?」


(頷く主人公)


「気持ちいいならよかったわ。頭皮をほぐすと気持ちいいからね」


(主人公、千歳に話しかける)


「えっなんで頭を洗いに来たかって? あんた最近もパソコンに向かいっぱなしだったし、頭皮も固くなってると思ったわけ。こうやってやってもらうと気持ちいいでしょ」


「ふふっ本当に気持ちよさそうな顔をしてるわね。目がとろ〜んとしてきてる。もう少しで終わるからちょっと待ってね?」


(シャワーのお湯を出す)

(髪を洗う千歳)


「よし、シャワーで髪を洗って……」


(シャワーを止める)


「はい、マッサージ完了! だいぶ頭皮も柔らかくなったわ。頭も軽くなったんじゃない?」


(頷く主人公)


「じゃあ、私はそろそろ行くわね。さすがにあんたの時間を邪魔しちゃうのも悪い……くしゅん。少し濡れたからくしゃみが出ちゃったみたい」


「俺のことは気にせず風呂に入れって……へっ? な、な、何を言って」


「風邪をひいたら大変だろって、それもそうだけど…。で、でもまだ私たち付き合ってないのに、一緒にお風呂に入っていいのかしら」


「な、何でもない。分かった、お風呂に入るわ! だっだから」


(衣服を脱ぐ千歳)

(驚く主人公)


「まだ、恥ずかしいから。あっちを向いてくれると助かるんだけど」


(主人公反論する)


「えっ? 俺がすぐ風呂を出るから入って欲しいって意味だったって……っ! ばかばかばか! 言葉が足らなすぎるのよ!! あやうく全部脱ぎかけちゃったじゃない!!」


(千歳、慌てて風呂場から出る)

(風呂場の扉を閉める)


「は、早く風呂場から出てきてよね! さ、寒いんだから!! ばか!!……はぁ、ちょっと期待したのにな」


(ちゃぷんとお湯が揺れる音)




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