第8話 一緒に寝ましょう


(千歳、眠っている)


「すぅ……すぅ」


(ノックの音)

(扉を開く音)

(足音)


「んぅ」


(再び足音)

(カーテンを勢いよく開ける音)


「きゃっ眩しい!」


(主人公、千歳の前まで行く)


「ふぁぁっあんた、どうしてここに?」


「えっ? 私が起こして欲しいって言った? そうだっけ……すぅ、すぅ」


(主人公、千歳の肩を揺らす)


「ふわぁ〜〜っ、わかったわよぅ。起きる、起きるから……なんで私、早くに起きるっていったんだっけ?」


「あっそうか。休日だから早起きして家の掃除したり、買い物行きたいっていったんだっけ。うっかりしてたわ〜」


「ん〜、起きられそうにないから起こしてくれない?」


「え〜〜自分で起きろですって。いいじゃない、ちょっとくらい」


「んっ、だっこして」


(少し間が空いてから、)

(主人公、千歳を持ち上げる)


「すご〜い、まさかお姫様抱っこしてくれるなんて。初のお姫様だっこだわ」


(千歳、主人公の首に腕を回す)


「落ちないように腕を回さないとね。ふふっ、すごく近くなったわ」


「えっ? 離れろ? やーだ、離れたくないわ。もっとくっついてやるんだから」


(主人公、仕方なくリビングまで向かう)


「わわっ、いきなり動かないでよ。びっくりしたじゃない」


「私は悪くありません。ふわぁぁっ、今のでなんだか目が覚めたわ」


(少し間を開けて)


「じーっ」


「いや、こんなに顔が近いから頭があくまで見つめようって思って」


「なんだか最近、そっけないわね。前までは、照れてくれたのに」


「えっ、私の方が顔が赤いですって。な、なんのことやら」


(主人公、千歳をソファーに下ろす)


「わっ終点まできちゃったか。残念。もう少しお姫様抱っこを堪能したかったなー」


「ん? 今何が言った?」


(主人公、頭を横に振る)


「気のせいじゃないと思うんだけど?」


(主人公、立ち去る)


「わっ待って! 私も買い物に行くんだから、置いてかないでよ」


(主人公を追いかける千歳)



(掃除機をかける音)

(掃除機を止める音)


「ふぅ、買い物に行ったし、掃除も終わったし、なんとか休日にやらなきゃ行けないこと終わったわね」


(主人公、干した布団を家の中に入れる)

(千歳、布団に近づく)


「ふふっ布団もちょうどいい暖かさになったわね。はぁ〜気持ちがいいわ」


「片付けないといけない? ちょっとくらいいいじゃない。だって干した布団って暖かくて気持ちいいんだもん」


「ふわぁぁ、なんだか眠くなってきたわ。ねぇ、せっかくだから一緒に寝ちゃわない?」


(頭を横に振る主人公)

(千歳、主人公の手を引っ張る)


「ちょっとくらいいいじゃない。えいっ」


(布団に倒れ込む主人公)


「逃げないように腕を拘束しないとね。ぎゅーっ」


「逃がさないわよ。あんたは私と寝るんだから」


(耳元で話す千歳)

(暴れる主人公)


「やだっ。たまにはいいじゃない……休日、なんだから、さ……すぅすぅ」


(主人公、千歳を揺さぶる)


「すぅすぅ、すぅすぅ」


(諦めて、布団に寝る)

(千歳の頬っぺたをつつく主人公)



「ふふっ大好き」



(頬っぺたを突くのをやめ、眠る)

(しかし、胸がドキドキして眠れない主人公)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る