第35話 ダンジョン前にて…
「くそ、どうなってんだ?」
ワークとエミリスがシエルに出会っていた頃、ナーバはダンジョンの扉の前で苦戦していた。
何度もダンジョンの中に入ろうと試みるのだが、なぜか不思議な力によって入り口前まで戻されてしまうのだ。
「なんか中に入る条件があるんじゃないッスか?」
一方のレオナは地面に座り込み、リュックから薬品を何個か取り出し並べていた。
「たまにあるんスよ。普通に入れるやつとは別に特定の条件を満たさないと入れないダンジョンが。」
ナーバは苛立ちからかダンジョンの壁を拳で思い切り殴った。
「くそっ!早くしないとアイツらが…。」
「ん~、これで足りるッスかねー。」
苛立っているナーバをよそにレオナは薬品を確認していた。
「おい!なんで薬ばっか並べてんだよ!お前もこのダンジョンに入る方法を考えろよ!」
ワークたちを助けにいけない憤りからナーバはレオナに向かってあたっていた。
「何って…持久戦の準備ッスよ。」
レオナは落ち着いた様子で答える。
「持久戦…?」
疑問に思っているナーバに対し、レオナは薬品を小瓶に移しながら説明した。
「ダンジョンっていうのはある一定の場所に魔力が集まってできるんスよ。そして魔物は魔力の高いところに集まる習性があるんス。」
「…どういうことだ?」
「…はぁ、こんだけ説明してまだ気づかないんスか?やっぱりナーバは頭が固いッスねぇ。」
あまり理解できていないナーバにレオナはため息をついた。
「なんだと!」
そう言ってナーバはレオナに反論しようとした。だが、たくさんの魔物に囲まれていることに気づき、ナーバは剣の鞘を持ち構えた。
「…いつから気づいてた?」
ナーバの問いかけにレオナは答える。
「自分は獣人ッスからね。匂いや音で近いていることに気づいたッスよ。」
「なるほどな。確かに持久戦だな…。」
ナーバはレオナの言っていた「持久戦」の意味を理解し、剣を抜く。
レオナもいくつかの小瓶を指の間に挟み、戦闘態勢に入った。
「回復薬はあまりないッスから。無駄に怪我しないで下さいッス。」
レオナの言葉にナーバは少し笑って返す。
「はっ!誰に向かって言ってんだ!お前こそ足ひっぱんじゃねぇぞ!!」
「了解ッス!ナーバ!」
「"ナーバさん"っな!」
2人は襲いくる魔物の群れに立ち向かった。
こうしてナーバたちの持久戦が始まったのだ。
すべてはワークたちがダンジョンから戻ってこれても安心して帰れるように…。
異世界クリティカルヒット!!~はずれ職「見習い」で不運の僕はとりあえず最強を目指します!?~ 宵闇月夜 @yamiyo
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