第3話 

給食を食べ終え、私は七組へと足を運ぶ。睦月と石田の行動を監視するためだ。永井に話を聞きに行こうかと思ったのだけれど、優先順位的に考えると七組に先に行こうということになった。いじめが再発してしまったというのは私としてとても悲しい。私は鬱々とした気分で六組の前を通り過ぎた。そして七組の前に立つ。

「うるせえよバカ!」

突然の怒鳴り声。一年前を最後に、もう聞かなくていいと思っていた。

だめだ、弱気になっちゃ。ほぼ無理やり自分を奮い立たせる。

七組のドアに手をかけた、その時。

ドンッ!

ドアに手をかけていた右腕に激痛が走る。

「…ッ」

睦月が、階段のほうに走って行くのが横目に見えた。すると、またもや七組から人が飛び出して来た。睦月の行った方向に、ものすごいスピードで駆けていく。まてむつきー!と遠くで声が聞こえる。

行かなくちゃ。右腕の痛みを無視して、私は駆け出す。踊り場までジャンプで降りる、それを何度も繰り返した。足はジンジンと痛いし、腕も痛い。でも、睦月の長い髪の毛が見えた瞬間、私は痛みなど忘れて全力で走っていた。段々と距離が縮まってゆく。遂には睦月のことを追いかけて教室を飛び出していった男の子を追い越す。

「待てぇ睦月ッ!」

睦月が驚いた表情でこちらに目をやる。すると突然睦月が走るスピードを上げた。こちらも同じくそうする。

チャンス。

睦月の前に回り込んで、両腕を掴む。腕の痛みもましになっていた。後ろから来ていた男の子も睦月を抑えるのを手伝ってくれる。

「何すんだよっ」

「話があるんだけど、睦月」

私は冷静だった。ふー、と息を吐いて、睦月に向き直る。

「お前、またやってんの?」

感情を抑えた声で私は尋ねた。隣の彼が私のことを見たのがわかる。

「さあね?」

睦月の目は、自信に満ち溢れていた。


     ーーーーー


読んでくれてどうもありがとうございます

なんか夏休み暇すぎてやばいです

(^^)/~~~

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