第2話 

「遅いー夏」

「わりー、金魚の世話してた」

今日は少し遅れてしまったのであまり長くは話せそうにない。このみは長々と文句を言っているが、それを聞き流して私は席につく。

「そういや昨日の件」

そう切り出したのはこのみ。

「ああ、うん」

「睦月と石田うちのクラスなんだけどさ…、なんかマジで分かんないかも」

そう言ってこのみは、参ったなあとでもいう風に頭を掻いた。

「そーかあ」

早々行き詰まってしまった。でも、いじめが起きているのに放っておく訳にはいかない。

「休み時間とか放課後とかちょっと見て回るかあ」

そう言ってから、私は椅子を少し後ろに引いて、大きく伸びをする。

「私休み時間はパス」

このみが言った。それに加えて、補習だからと小声で言う。

「放課後は大丈夫そ?」

「放課後はいける。美術部は活動日めっちゃ少ないから」

うんうんと首を縦に振りながら私はメモを取る。

「てか睦月たちがまたいじめしてること、誰が言ってたわけ?」

あー、とこのみは少し考えるそぶりを見せてから、

「七組の櫻井ってやつ。櫻井は永井に聞いたって言ってた」

と言った。

「永井か」

2年前、中学一年生の時に永井とは交流があった。永井は人の噂話を瞬く間に広めることで有名なそうな。

「休み時間事情聴取行ってこよーっと」

私は席を立ってくるりと一回まわる。一限目の準備をしようと後ろのロッカーに手を入れた。

「事情聴取て」

このみが私の席に座って、刑事ヒーローだ、と面白がってくる。

数学の教科書を手に持ち、私の席に堂々と座っているこのみを撃退する。

「うりゃ」

ぐいっと力を込めて椅子に無理やり座ると、私と違ってきしゃな体型のこのみは「うわー」と言って、椅子から転げ落ちた。

「大丈夫か」

一応心配をしておく。

「いたいよぉ」

このみが笑って言った。

「嘘つけぃ」

私も笑った。すると私の頭にこのみの手が伸びてきて、何かを払う。

「ん?」

「虫がついてた」

「うえぇ」

私は自分の短くした髪に触れる。そしてもう一度、うえー、と舌を出した。

「夏、人には強いのに虫には弱いよね」

「だって…普通にやだし」

すると、ガララと一組のドアが開く。クラスメイトが登校してきたのだ。

「あ、もうこんな時間!また放課後〜」

「うん、じゃな」

このみは焦った様子で自分の教室に戻って行った。


     ーーーーー


読んでくれてありがとうございます

展開が発展して面白くないと思います(汗)すみません

次は面白く書くよう努めます

(ToT)/~~~

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