第9話

「その話、受けさせてもらおう。」


俺は空腹で道のど真ん中を歩いていたところ冒険者のような人に見つけられ、飯をおごられた。その最中に、一緒にタッグを組んで冒険者をやらないかと提案されたわけだ。

俺がこの話を受けた理由は主に二つ。一つは、金だけでも持っていれば食いっぱぐれることはないということ。二つ目は、俺がこの町に来た本来の目的、魔法の使い方が書いてある本を入手することにも金がかかるということだ。

とにかく金がかかる。だから、俺がこの話を断る理由はない。それに、一度やってみて人間側の情勢などをよく知るのもいいだろう。バレそうになれば逃げてくればいい。

ということで、


「やってきました!サカナの街オリオール!」

『おいおい、あんまはしゃぐなよ。』


早速、クエストの場所であるオリオールという街に来た。

ここは漁業が盛んで宿屋や屋台でも魚料理がメインに出るそうだ。

今回のクエストはいつもは沖にいる魚竜シーサーペントが海岸のほうに出てきたから

討伐してほしいと。さらにその原因も探ってほしいと。

報酬は銀貨50枚で、一般的には多い金額らしい。いけるのか?魚竜シーサーペントとやら、名前からして竜種だし。

ベルガントの強さにもよるが、失敗したら罰金みたいなのもあるみたいだし、失敗はしたくないな。本当に今の状況で罰金なんてマズすぎる。

とりあえず今はベルガントと一緒にいるし、作戦会議だな。


「なあ、ベルガント。」

『なんだ?』

「今回のクエストをするにあたって、お前の強さを把握しておきたい。今お前は、

何が得意なんだ?」

『見ての通りだが、俺は身軽な前衛職で、陽動が得意だ。だからお前が魔法を

使えるんなら、俺が魚竜シーサーペントの注意を引いて、その間にお前が

魔法を繰り出すってのを想定してたんだが、お前はどうだ?』


まあ、俺が考えていたのと同じだな。だが、俺が使える魔法は火・水・闇のレベル1なんだよな。レベル1じゃあ大して効かないだろうし。


そうだ!困った時こそ女神様。女神様!魔法について教えて!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る