第7話

もう本当に空腹で限界だ。早く人間の街に行って情報を入手しなければ。だらだらしている場合はない。幸い、この前人間がいるのを発見して尾けたら街につながっていたので街の場所は把握済みだ。早く行こう。


やっと着いた。通常であれば難なく来れたのに空腹だとこうも影響を及ぼすのか。喋ったり歩いたりするのでやっとだ。早く情報を入手しよう。と、思ったのだが。人間の街には屋台とかがある。これらを食べれば空腹じゃなくなるのでは?でも金がない。考えてみれば、本を買うにも金がいる。先決すべきは金問題か。


『よう。あんた腹減ってんのか?良かったらオゴってやるよ。』


冒険者らしき者に声をかけられた。まぁ道のど真ん中でけだるそうに歩いてんの見りゃそうなるだろう。控えめに言って神である。

今の状況において願ってもない申し出だ。

魔族である俺が戦闘力の高いであろう冒険者と関わるのは危険だが、今はそんなことは言っていられない。


「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。」


どれくらい美味しいのか楽しみだ。


[大衆酒場 エメリア]


どうやらエメリアというお店に連れてきてくれたらしい。酒場ということは美味しいものがたくさんあるんだろう。この人も人生で一度は言ってみたいあの一言言うかな?


『女将さん、いつもの!』


でた。人生で一度は言いたいセリフ第3位飲食店で「いつもの」!!

つまりこの人はここの常連さんなのか。


早速料理が運ばれてきた。鶏の足を丸ごとあげたようなやつと何かは分からないが何かの肉と野菜を煮込んだもの、あとは馬刺しのようなものが出てきた。どれも食欲をそそる美味しそうなものだ。

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