第18話 終わってからも

まえがき

なんか勘違いしてて黄金がコート内から消失してました。今までの文章で違和感があるところがあると思うので見つけたら教えていただけると幸いです

なんでいっぱい出してあげました(笑)


―――――――――――――――――


みんな相手のサーブを待つ。僕もレシーブ体制についている。この一点、一点取れば勝てる!そう確信をもって全員レシーブで挑む。普段やってないフォーメーションだし、不安もあるけれど僕がとってもネコがトスをすればいいし、案外何とかなるだろう。懸念点は大かな、僕らの中で一番レシーブが苦手だからあげてくれればそれでよし!みんな疲れてるし。大きく深呼吸をする。吸ってる時にも体の中に心拍音が響き渡るが気にせずいこう。早く終わらせればいいだけの話。


相手サーブはやはり大のところに飛んでいった。少しサイドラインから飛び出そうな球だったが大は腕を伸ばしてレシーブ。定位置には帰らなかったが十分な高さで上げてくれた。相手コートは疲労の顔は見えるけどこちらほどではない。どっちかっていうとメンタルが折れている人らが多い。対してこちらのコートは、体力がもうないけど目は死んでない。なぜならうちには黄金っていうサーブ王がいるし!一点取れば勝ちといっても過言じゃない。こちらに走りこんでくるものが一人。ギラギラと敵に向けるような鋭い目をこちらに向けてくる。突き刺さる視線のせいであまり集中できない。もう、しょうがないなぁなんか今日のこの子はわがままな気がする


「れーん、頼むよ!」


僕の言葉に蓮は結果で答えた。蓮が打ち抜いたボールはブロッカーの指をかすりアウトラインに飛んでいく。一点とった、これでマッチポイントだ。黄金はもうエンドラインにいる。僕は植木からボールを受け取って黄金に投げる。ボールを受け取った黄金はボールを顔の前に掲げて祈るように目をつむった。笛が鳴った瞬間にボールを叩いた。そのボールはネットにかかり前に落ちる。セッターも前衛も届かない絶妙な位置。…確実にとるためにそこを選んだんだろうけど、さすがに性格悪いな…


今日一長く笛が鳴る。正直買ってうれしいよりもやっと終わったという気持ちの方が強い。お辞儀を済ませて食堂に走る。悪いけど植木さんへの説明はみんなに任せよう


「あ、コラ聖!汗を拭いてからにしろ!」


僕の後ろを、タオルを持って追いかける蓮


「あ“~死ぬ、もう無理、うごけねぇ。ネコ運んでくれ」


「上から水かけるからそれで満足して」


なんでだよ!!と跳ね起きた剛のもとに水筒とタオルを渡す。二人は少し休憩してから食堂に来るそうだ


「流石黄金、性格悪いな」


「ふふ、お前には負けるさ」


ふふ、ふふふ、と笑っているのにどんどん重くなっていく黄金と智


「ふ、ふたりともやめてよぉ」


その間で大きな体を縮めて慌てている大がいた


その様子をみて植木の人に説明する人がいないと悟った高木さんが植木さんたちを観客席まで案内してくれたらしい。食堂についた瞬間僕の頭の中はごはんで支配されたが…


「え~どうしよう!うどんもいいなぁ定食もあるし~あ、中華セット!?ラーメンと餃子にチャーハンまで!?これしかないじゃん!!すいませーん中華セットでお願いします!」


「はいよ~後ろの子は?」


言われてはじめて気づいた。入り口にはタオルをこちらに差し出しながら、小さくお、同じものを…といっていた


「ん?なんだい?」


「僕と同じものですって、お願いします」


「はいよ~その子椅子まで運んでやんな」


「は~い」


蓮の肩をつかみ席まで運ぶ。蓮からタオルを受け取って汗を拭く。しばらくたった後息が整ったのか水をとってきてくれた


「はい、飲み物頼んでなかったよな」


「うんありがと~」


受け取ってから一口ずつのむ。あんまり一気に飲んでもダメだからね


少し水を飲んでいたら食堂のおばさんからできたよ~と声をかけられる


受け取るとずっしりとくる重みに自然と口角が上がる。隣を見ると蓮も同じ顔をしていた。少し小走りで席に着きがつがつ食べ始める。僕らが半分ほど食べ終わったころほかのメンバーも合流してきて僕たちのご飯を見てみんな中華セットを頼む。同じテーブルに座り食べ始めた。みんないい笑顔でがつがつと食べる。先ほどまで一歩も動けないといった様子だったのにご飯を目の前にすると試合中よりも素早い動きで食いつくす。剛にいたっては足りなかったようでおかわりもしていた。さてここからは次の時間に備えないといけない。ごはん中の楽しい雰囲気はいったん終わり、次も勝つために黄金はプロジェクターを起動させた

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