是非、前作『雨音が消えた夜』を拝読されてから読まれてください。
私は三国志に全く詳しくないのですが、『雨音が消えた夜』の方に詳しく解説が書いてあるのと、登場人物をかなり絞って書かれているので、分かりやすく読む事ができました。
中国の歴史、特に戦場において、行軍となると女を連れて行けないので、地位のある軍人の閨の世話は若い武人が行っていた、という伝承は散見されます。
それを踏まえると、親しい者で閨を共にするうちに、歳を重ねて同衾に発展してしまうのも自然な様に思いました。
三国志をモチーフにしたBLですが、洗練された文体に重さがあって、
「本当にそうだったのかもしれない」
と思わせる物語の説得力があります。
苦くて、冷たくて、重たくて、後味は甘い愛の話。
是非一度お読みになってみてください。