第24話 それいけ一攫千金マンその1
ギルドでひと
受付のお姉さんは最終的に金貨20枚まで下げてくれたが師匠がOK出さなかった渋っていたら、『こっちも最近暇でギルドにも仕事がないから死活問題なんです!』と叫んでいた。
かわいそうに。
クエストボードにはほとんど紙が貼ってなかった。
そりゃそうよね、前の街で悪役貴族を打ち破る。というイベントが起きたばっかりだ。
この街はほぼほぼ通過点でミニクエストが少しあるぐらいの場所。
結局交渉術の切り札、『一度持ち帰らせていただきます』便利な言葉で、また来るよとも来ないともいわない手で逃げ出し宿をとる事になった。
とりあえずは風呂! って事で荷物を置いて各自風呂にはいる。
久々のお湯をたんのうし、部屋へと戻る。
「地方のギルドはそんな美味しい仕事ないもんなぁ。暇になるのもしょうがないっと。師匠達はまだ風呂かな、リラックスリラックス」
この手の世界、風呂は無いのか? と言われると結構ある。
簡単な話、魔法でお湯を沸かせばいいから……魔法使いがいない場所などでは燃やした石に水をかけるサウナだってある。
今日の宿は一部屋5人までの一室を借り切ってる感じだ。
5人までなら何人泊っても部屋の値段だけで済む便利タイプ。
扉の開く音が聞こえ頭をあげると、風呂上がりの師匠が部屋に入って来た。
「なんじゃ。もう上がったのじゃ? よく温まらないと風邪をひくのじゃ」
「そういう師匠こそ早かったですね、ノラは?」
「あ奴はまだ入っておる。まぁ宿の敷地内じゃ大丈夫じゃろう」
「そうですね」
俺は頭をソファーに戻し天井を見てはリラックスする。
「丁度いい、話そうと思っていた所じゃドアホウ……いや、クロウベルのじゃ」
「っ!?」
突然のドアホウ呼びじゃなくて俺は飛び起きた。
師匠は空いたベッドに座っていて真剣な眼で俺を見ている。
「師匠……?」
「その、相談があるのじゃ」
1、相談。
2、ノラはまだお風呂だ。
3、師匠の眼は真剣だ。
4、師匠も俺もお風呂上りである。
導き出される答えは、すなわち『解禁』
何が解禁って、もう『秘め事』だ。
「わかりました」
「そ、そうか済まんのじゃ」
「いやいや、こういうのは本当は男の俺から言う事でしたね」
「なんの、普段師匠と呼ばれワラワは恥ずかしいのじゃ」
「早くしないとノラが戻りますし」
「そうじゃのう……本当にすまんのじゃ」
俺は急いで上着を脱いでズボンを脱いだ。
解放感が素晴らしい。
「さぁ師匠もいやメルって呼んだほうがいいですか? 子作りですよね。早く服をおおおおおおおおおお!? 子作りっすよね」
師匠の銀髪がバチバチと逆立っている。
手には雷の魔法が二つ。
きつけば師匠が俺の手首を握っている。
「ライトニングううううう!!」
「あばばばばばばばばばっばばばばば!! っば……たん」
床に転がると股間に脱いだ衣服をかぶせられた。
「誰が、いつ! ドアホウとエロい事したい! というたのじゃ!」
「ち、違うんですか?」
「違うのじゃ! その……お金がないのじゃ」
「え?」
俺が衣服を着ると師匠が深いため息をついた。
「考えても見るのじゃ。ワラワはアリシアを影ながら見て一度は帰るつもりで最低限の物をもって来たのじゃ。しかも誰かのせいで転移の門も壊れ帰れなくなった所で、ドアホウが現れた。二人分ならまだ何とかなるのじゃ。と考えていた所に」
「ああ。ノラですよね、そういえばこの街の入場料も昼食代も宿代も師匠が払ってくれましたっけ」
フユーンの街での軽食などは俺がデートと思って出していたけど、他の事はほとんど師匠が払っている。
後、転移の門を壊したのは師匠であって俺のせいではない。
「あれ? 俺ってヒモあつかい!……えっとお金返します!」
自分の財布を見ると金貨が14枚ほどしか入っていない。
そういえばシグマに情報量で何枚か渡したっけ。
「返さんでもいいのじゃ。数日時間をくれなのじゃ。その間にノラを頼む。と言いたかったのじゃ」
「別にいいですけど、どうやって? 冒険者ギルドのクエストですか? あまり良さそうなの無かったですけど」
「ワラワはそのギルド登録はしてないのじゃ」
師匠は俺の質問には答えない。
怪しい……見た目が永遠の20代後半が出来る女性の仕事といえば、現代日本であればスーパーの店員、喫茶店の女中、美容師……ここまでは割と健全だ。
そこからは夜のお姉さん。
スナックのママ。キャバクラのお姉さん。そこから先はもうネトラレの世界。
「許しません!」
「なん?」
「俺はもう許しませんよ! 師匠が体を売ってまで。俺が買います! いくらですか!? 手持ちは14枚しかないですけど!」
「ドアホウよ」
「もちろん師匠の体を好き勝手するには足りないと思っています」
「あのなのじゃ?」
「それこそ俺に時間を。ぱぱっとレアアイテム探すので」
「なぜワラワが体を売る話に」
「何枚必要です? とりあえずこの辺のレアモンはなんだったかなぁ」
「いい加減に話しを聞くのじゃ! ライトニング」
「あばばばばばばっばばば!」
目の前が白くなり床に倒れた。
師匠の、ハァハァハァと言う声が落ち着くと部屋が静かにノックされた。
「誰じゃ!」
「えっとノラです……」
俺も起き上がって扉を開く。
ノラが困った顔で立っていて、俺も師匠も顔を見合わせた。
「何が困り事あった? 女湯に入ろうとして男と間違わられたとか、女湯で他のお客に詰め寄られたとか。逆に男湯に入りたくなっいって」
「ドアホウ。でノラどうしたのじゃ」
「え、あの……お二人の声が廊下まで聞こえてその夜は声を控えてくれって苦情が……」
「…………ごめん」
「すまんのじゃ」
――
――――
「ボクも頑張って稼ぐよ!」
そういうのはノラで先ほどの師匠との熱い議論がノラにもバレたからである。
「しかしなのじゃ。ノラはまだ子供」
「いや。考えようによってはノラは俺より旅をして来た先輩だ。ちなみにどうやってお金を稼いで?」
夜の街に立って体を売るような事は、この俺が許しません! …………あれ、彼女でもないから別に俺が許す許さないは関係ないのか。
「たぶん、どこかに闇カジノがあると思うんだ……」
「あっ!」
俺は思わず声を出した。
確かにあるな。
日本でいうカジノとはちょっと違うけど、簡単なサイコロゲーム。トランプ。数取り。などだ。
スロットやポーカー、ルーレットなどは本格カジノは帝国に行かないと無い。
「なんじゃ、あるのか?」
「一応……」
俺もゲームで遊んだが、結局どれも負けた。
賭け事に向かないのだろう。
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