第14話 コラボ

「ねえ、この子可愛く無い?」

「どれどれ?」

「あ、この子って、私達のライブで肩車されてた子じゃない?」


 『にゃんずっち』のメンバーアキ・サラ・アオがエルクのアーカイブを見ていた。ロングヘアーの赤い髪色であるアキがエルクの配信を見つけ二人に見せた。


「ねえ〜これって、私達のことを見てアイドルに憧れたのかな〜」

「アキそれは、考えすぎだと思う。だけど、アイドルに憧れて配信はしていると思う。だから、私達もいるかもしれないけど、他のアイドルに憧れているかもしれないわよ」

「ん〜もう。サラは硬いんだから〜胸もだけど〜」

「あ?」


 アキは、青が髪でショートヘアーのサラに胸がないことをいじり睨まれてしまった。


「アキちゃん。だけど、こんな可愛い子がアイドルになるとかご褒美ですな」

「アオは、相変わらず新人さんのアイドル好きだよね〜まあ、アイドル好きでアイドルになったもんな〜」


 黄色い髪色のアオは、胸が大きくアホ毛を左右に振りエルクの初配信の動画を見返していた。


「ねえ、アキちゃん。エルクちゃんとコラボとか出来ないかな〜」

「ん〜どうだろう。一応、事務所には所属しているから、事務所宛にコラボ依頼とかすればできると思うけど....うちの事務所が許可を出すかどうかだよね〜」

「そうなの....じゃあ、私ちょっと社長に直談判してくるね」


 ライブ配信30分前にも関わらず、事務所で配信予定のアオは事務所の3階に居る社長のところに向かった。


「社長。このこと、私達がコラボ配信してもいいですか!?」

「え、もうすぐ、配信予定じゃなかった?」


 社長は、急に開いたドアにビックリしたが、すぐに冷静になった。


「そうですけど、私この子と配信を一緒にしたいんです」

「そ、そうか...」


 普段は、おっとりとした性格のアオ。社長にエルクの動画を見せここまで、アピールをしたことがない。そう思い社長はコラボをすることを許した。


「じゃあ、僕の方からコラボの依頼をしておくから、早く配信にもどりなよ」

「ありがと〜社長」


 アオは、コラボする許可をもらい喜びながら、配信するところの部屋に配信10分前に戻った。


「アオ〜どうだった〜」

「サラちゃん。社長から、コラボの許可もらった〜社長がコラボ依頼の連絡してくれるって〜」

「へえ〜私達も3年目だけでこんなに早くコラボすることになるとか初めてだわ」


*******


  僕は、衝撃的な報告があった次の日に予定した配信をする事にした。

 昨日の事や、配信を一度経験していたので昨日ほど緊張はする事はなく噛む事なく配信を進める事ができる。


“椅子はどうしたの?”


「僕が気に入っていた椅子は売りました。ある人に言われて、売る事になりました。その代わりに、この椅子を貰いました」


”え〜似合ってるのに〜“

”小さい権力者みたいだったのにな〜“

”お人形さんみたいで可愛かったのにな〜“


 何故か、威厳を出すためな考えで僕はあの高い椅子を購入したのだが、可愛いとか正反対のコメントがくる。


「可愛い言うな!!」


”その椅子で言う〜“

”だよね〜“

”その、ピンク色のゲーミングチェアに座ってるんだから〜“


「これは、物だから。だけど...座り心地はいい」


 フォコ様にもらった椅子でいじられていると僕より登録者数が多い人からコメントがきた。



【にゃんずっち】”こんばんは〜今度のコラボよろしくね〜“


「え、なにそれ?」


”ええええ!!“

”配信して翌日に大人気アイドルの『にゃんずっち』とコラボ!?“

”やば、配信2回目からにゃんずっちとコラボとかやばすぎ!!“

【にゃんずっち】”事務所の方には連絡言っているんでよろしく〜byアオ”


「うぇえええ!?」


 僕はいきなりのコラボを知りビックリして、つい配信を切ってしまった。

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