第15話 風呂
最近、僕はアイドル配信者として勉強するために他の人達のアイドル配信を見る事にしている。
まだ、アイドル配信を見て日が浅い僕でも分かる。確か登録者数300万人程いる。僕の登録者数の約300倍ほどの差がある。
そんな人と、コラボって...レベルが1の僕が勇者と戦うぐらいじゃ無いなんじゃないか?
だけど、人間とコラボは....僕には抵抗が...それに、僕は四天王というプライドがあった。だけど、魔王様に女性の身体にされ、更に四天王の席を奪われしばらくの間、なにもせずに自分の部屋でゴロゴロとして人と話さず生活していたせいなのか、他人と喋る事に抵抗がある。
昔は、人前にたっても緊張すらせず堂々とした立たずまいだったんだけど...コミニケーションを取るのが苦手になってしまった今の僕にはコラボは荷が重い。
「はぁああ...」
一応、事務所に連絡をしただけらしいから、僕は魔王様に断ってもらう様に連絡をしようと、スマホを取り出すと『ピコン』と一通のメッセージが届いた。
「『にゃんずっち』のコラボ受けたよ。少し予定とか色々すり合わせて3ヶ月後だからよろしく。それと、途中で配信切っちゃダメだよ」
時すでに遅し。僕が、断る前にコラボ依頼を受けられたいた。
魔王様の命令には絶対。
コラボする事を断る事は出来ない。だけど、コラボするのは実際嫌だ。
何を話せば良いか分からないし。
「んんん!!」
僕は、枕に顔を押し込みどうすればいいか分からない気持ちを吐き出した。
とりあえず、僕は配信を途中で切った事を謝罪する為に僕は再び配信を始めた。
「ごめんさい。突然のことで動揺してつい切ってしまいました」
“いいよ。いいよ”
“僕達も驚いたし”
“慌ててる姿かわよかった”
「なんで、僕がコラボしなくちゃいけないんだろ。あまり、知らない人と喋りたく無い」
“わかる”
“コミュ障”
“人怖い”
“がんばれ”
人間に励まされながら僕は、配信を終えた。どうすれば良いか分からないので、リフレッシュする為にとりあえずお風呂に入る事にした。
昔はシャワーだけどか、自分の部屋のお風呂に入ったりしていたけど、最近は広いお風呂に入るのが少し好きになった。
悩んだ時とか、色々ある時は魔王城のお風呂がいい。
まだ、女性の身体を見るのは抵抗があるので人が少なくなる時間帯を見計らって僕はお風呂に向かった。
予想通り、浴場には誰も居ない。
「ふぅうう〜やっぱり広いお風呂はいいな〜」
先に身体を洗い、お湯に使った。
「全く、コラボとかしたく無いよ....」
ぶつぶつと、不満を吐きながらお風呂に浸かっていると後ろから気配がする。
バッと後ろを振り向くと魔王様の奥さんフォコ様が後ろにいた。
「こんばんこーん」
「フォ、フォコ様....ぼ、僕はお風呂先に出ます」
流石に、まずいと思いお風呂から出ようと立ち上がった。
「いいじゃない。一緒にお風呂入ろ〜」
僕がお風呂から出ようと立ち上がると手を掴み引っ張られフォコ様に抱えられた。
「コラボ配信いや?」
「い、いやじゃ無いですが..コラボになると何を話して良いか分からない。だから、僕はコラボしたく無いです」
「そうか〜コラボは苦手なのね。だけど、ママに任せて」
そう言って、フォコ様は立ち上がった。
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