第7話 眠り

 扇風機にあたり、髪の毛も乾いた感じがするので、タオルでわーって吹き終わるが、アルベットが不十分と言う。


「もお、ドライヤーで乾かさないと」

「別に自然乾燥で乾かすからいい」


 髪の毛を乾かさないと言っても、僕に熱い風を頭に向けられドライヤーで乾かされている。乾かされている間、沈黙が続くので僕から話題を振ることにした。


「僕が、本当にアイドルになれると思う?魔王様の命令だから仕方なくやるけど....」

「まあ〜エルクちゃんのデビューまで、あと一週間だからね。心配になるのは分かるけど、そこまで心配しなくても良いともうよ」


 え、待って。僕のデビュー日って決まっているのか?僕は、そんな話一度も聞いていない....

 

「何それ僕一度も聞いた事ないんだけど」

「え、聞いてなかった?まあ〜ゼーフに伝えるように頼んだんだけどな〜はい、おしまい」


 衝撃的な事実を伝えられたのと、同時に髪の毛が乾きドライヤーが終わった。


「あと、一週間?」

「そう」


 僕は、急にデビューが決まり驚きを隠す事ができ無い。アイドルって何をするのか全くわからない。

 今まで、仕事一筋として生きてきた者として、人間界のアイドルをバッファルなどの奴から聞く事はあったが、見ることはなかった。


 まあ、今は全くと言って自堕落生活をしていたけども....


「まあ、エルクちゃん可愛いから人気者になると思うよ」

「.....」

「はい、出来た〜」

 

 僕は、アイドルについて考えていると、いつの間にかアルベットに髪の毛をいじられて一本の三つ編みにされていた。

 

 洗面台に付いている鏡で、左右に自分お体を振って三つ編み姿を見ていた。


髪の毛が多くたまに僕の口に入ったりご飯の中に髪の毛が入ったりっと、邪魔だと思っていた。


 髪の毛が邪魔にならないし、良いな〜


「考え事をしてる様子で、髪の毛まとめておいたよ〜三つ編みも似合うけど、ポニーテールも似合うと思うよ〜気に入ってくれた?」



 鏡で、自分の姿を見ている姿を見ているアルベットはニヤニヤした顔で尋ねてきた。僕は、気に入っている僕が恥ずかしく女湯の脱衣所から出ていった。



 この髪型は、実用性があるから気に入っているってだけで、別に可愛いからとかでは無いから。勘違いしないでください。


 そう言えば、僕がアイドルデビューが一週間後とか言っていた。その情報は、ゼーフが伝えるはずだったらしいのでゼーフに直接詳細な内容を聞くことにした。


 ぜーふの部屋には、軽いトラウマがあるので、本当は入りたくは無いが、魔王様からの直接の命令を聞かなくてはならない。


 僕は、ぜーふの部屋をノックして中に入った。ぜーふの部屋は相変わらず部屋が暗い。

 

「ゼーフ。僕のアイドルデビューが一週間後ってなんで教えてくれなかったの」

「だって、あまり自分の部屋から出たく無かったんだもん」

「それでも、こんな重要な情報は教えて欲しかった」


 僕は、ゼーフと距離をとりながら文句を言った。前から、ゼーフは大人しい。魔王様からの仕事以外は自宅に引きこもり趣味の裁縫をする奴だった。


 ゼーフにある程度の情報を教えて貰った。僕は、どうやら魔界事務所アクドルンと言う事務所に所属しているらしい。最近作った事務所で、僕を含めて3人しか居ないらしい。


 アイドルとして僕は、動画など配信サイトを使い、アイドル活動を始めました配信をするらしい。


 色々と事務所にも手続きがあるから、活動開始まで時間がかかっているらしい。


「お茶いる?」

「いる」


 考えすぎと、お風呂上がりと言うことで僕の喉は乾いていた。

 ゼーフが注いだお茶と甘いまんじゅうを渡され、そのお茶をグイッと飲んだ。少し苦い感じがしたが、おまんじゅうとの相性がいい。


「ふぁ〜」


 久しぶりに動いたりお風呂入ったからかな?甘い物を食べたからなのか、眠くなってきた。


 あくびをする姿を見たからなのか、ゼーフはベットの上で寝るように進めて来た。


「私のベットでしばらく寝たら」

「いや、自分の部屋のベットで寝る....るから....」


 耐えられる眠たさ。大丈夫。大丈夫。自分の部屋まですぐ近くだから....っと思い頑張って自分の部屋に戻ろとうするけども、眠気が段々と強くなる。

 

 部屋のドア前までは、たどりついたがそこで力尽きてしまった。


「お兄ちゃん、私のベットで寝る?」

「うにゃ....」


 頭がポヤポヤして、まぶたが閉じかけゼーフに持ち上げられたところで眠りについた。

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