第5話 ニート

 今日は、色々とあって大変だった。魔王様に女性の身体にされて、アルベットに服を着せられバッファルにゼーフの部屋に連れ込まれて。

 その、ゼーフの部屋で脱がされ嫌がる僕をお構いなく下着を無理やり着せてくる。


 色々ありすぎる。


 僕は、疲労感に襲われた。四天王としての職務も無くなり寝るのは3時くらい。

 睡眠は、4時間という生活をしていたのだが、今日は23時に眠りについた。


「ふぁああ....やっぱり、戻っていないよな」


 僕は、目を覚ますと元の身体に戻っているのでは無いか。そう、淡い気持ちがあったが、やはり戻っていなかった。


 まあ、魔王様がした事だ。一晩やそこらでは戻るはずが無い。

 僕は、気持ちを切り替え朝食を取ることにした。いつもは、自炊だが台所に手が届かない。それに、冷蔵庫にも手が届かず自宅にある食料に手が届かない。


 このままでは、餓死をしてしまう。僕は、財布を持ちお店に出かけた。


 魔王城を出た辺りに出展している大きいスーパー。ここに行くだけで、欲しい食材や雑貨が揃う。

 僕は、卵とパンを購入した。ついでに、身長を補う為に軽く持ち運びやすい脚立を購入した。


「あら、お使いしら?偉いね〜」

「違います」


 僕は、何故かお使いと間違われた。大変不快だ。僕は、気分を害されたが、忘れよう。

 僕は、自宅に帰りトースターでパンを焼いている間に卵を割りフライパンで焼いた。焼いた目玉焼きをトースターで焼いたパンの上に乗せ醤油をかけて食べる。


 シンプルだが、美味しい。本当は、マヨネーズを追加するともっと美味しいのだが、カロリーを気にして滅多にする事はない。


「ふう....う....」


 いつも通りの量を食べると、お腹がパンパンになった。胃も小さくなった。

 この分だと、昼ごはんは食べずに過ごせる。この身体になって、唯一食費が抑えられる所だけメリットを感じた。


 四天王をクビになり、何もする事を無くなった僕は少しベットでボーっとしていた。

 昔の僕ではありえない姿だろうな。昔の僕は、部下たちの経理や事故報告。勇者侵攻の足止めなど報告書をまとめて、部下達に指示を出したり僕が出撃する事もあった。


 何もする事はない....暇だ。

 

 魔王様に言われた。アイドルになれって、どうすれば良いんだろうか?

 

 ベットで、ゴロゴロと一週間を過ごしてしまった。これは、昔の僕が疲れていた反動なのだろう。

 流石にまずい。っと、思ってしまってもベットが僕を離さない。


 もう、ここにずっと居たい。そう思いながら、ベットの中に居るとドアの前で誰かが立ち止まった音がした。


「こんばんは〜」

「?」


 ドアをノックもせずに、僕の部屋に入ってきたのはアルベットだった。

 何をしに来たのだろうか?僕に用事?僕は、もう四天王ではないのだけど....


 僕は、そう思い布団の中に入り身体全体を布団の中に隠した。

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