「雪降り」

「白、雪が降ってるよ」


「ん、綺麗」


 今はクリスマスイブの11時後半ぐらい。そんな中、ボクたちは外を歩いていた。


「絶対外に出る時間帯じゃなかった……」


 白は華奢な体を結構な量の防寒着に身を包んでいた


「まあ、雪も見れたしいいんじゃないか」


「影はいいよね。寒さに強くて……」


「そうかな?白が寒がりなだけな気がするだけど」


 ちなみにボクは、軽いコートとマフラーだけで所謂軽装といえる程度の防寒着しか着ていない


 この寒さへの耐性もボクの種族のおかげなのかな?

 まあその代わりに暑さには弱くなっているが……


「というか、手袋をしていないのが寒い原因なんじゃないか?」


「……その考えは無かった」


「無かったのかよ」


 空に向けて、はぁ、と息を吐けばと白くなる

 今日はそれくらいには寒い。


 ちらりと白のほうを見れば手を入れるポケットが無いらしく少し赤みがかった手に息を吹きかけていた


「……白、手貸して」


「なに?」


 差し出された手を自身のコートに入れる


「少しは暖かくなった?」


「ぇ、別に大丈夫だよ?」


「ダメだった?」


 返事を分かっていながらこんなことを聞くボクは少し意地悪なんじゃないかと思う


「……ダメじゃないけど」


「ならやめなくていい?」


「……ていい」


「なんて?」


 上手く聞き取れなくて聞き返す


「やめなくていい!!」


 顔を赤らめながらもしっかりと聞こえる声で答えてくれる


「分かった」


 そんなことを話しているうちにもう家が見えてきた

 もう少しでこの散歩特別な空間も終わり

 そう思うと少し名残惜しく感じるボクは普通正常だからなのからかな?


「手、温かかった。ありがとう」


「どういたしまして。まあ片方の手だけだけどね」


「もう……気を使って言わなかったのに」


 他愛もない会話をしながら玄関に辿り着く

 するとそれと同じくらいにスマホから0時を知らせる、音が鳴る


「あ、メリークリスマス、白」


「メリークリスマス、影」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

猫と吸血鬼です。

皆様はクリスマスはいかがお過ごしですか?

私はクリぼっちです。

もう一話出すかも

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