40話「反撃開始」
「武器は……ナイフのままでいいか」
【HP】18/35
【MP】11/21
MPもHPも、回復してなかったせいでぎりぎりか……
「まぁ、喰らったら負けなら、喰らわなければいい」
残り10秒
相手は何かを見定めるように一定以上の距離を保っている
「さぁ、反撃開始だ」
いつものように姿勢を屈める
正直またこれかと、思われそうだが初見の相手にはこれが一番効果がある
「目標は前足でいいか」
前足に力を込めて地面を蹴り飛ばす
そうして――――
「グァ!?」
少し遅れて地面を蹴る音と、金属が衝突するような轟音が響き渡る
「毛皮が厚い……」
音も置き去りにしたボクの攻撃は毛皮によって防がれていた
あの攻撃を防ぎきるとはとても自慢の毛皮だろう
しかし無傷というわけにはいかなかったらしい
「斬れたけどかすり傷程度か」
しかし、傷つけるとは思っていなかったので傷つけられただけ充分だろう
「グァァァァ!!」
相手もやられっぱなしは癪だと言うように攻撃を仕掛けてくる
左からの鉤爪攻撃
一撃でも喰らえばアウトだろうがその分大振りな攻撃だ
「避け方ぐらい分かる」
鉤爪が振り下ろすモーションになった瞬間バックステップで回避する
「本当だったら前に行ってすれ違いざまに斬りつけたいんだけどな」
もう戦闘パターンは分かった。
それにこちらの準備も整った
カウトダウンの残りは0秒
「まったく、お寝坊さんだよ、本当にな。」
そこまで起きるのが遅いんだ
ちゃんと仕事はしてもらうぞ
「バーサーク『獣化』」
スキルを唱えた瞬間、容姿が変わる
爪が伸び、獣耳は大きくなり爛々と輝く瞳は肉食獣を彷彿とさせる。
「ありゃ?この前使ったときはなんともならなかったんだけどな」
だが、この状況では好都合だ
「獣化の制限時間は5分だったか」
『獣化』が解除されたら殆んど負けは確定の状況
「目標は3分かな」
初見タイムアタックをするのだ、出来るだけ早くやらなきゃな
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