番外編「少し変わった時間」side白 視点
朝の9時ごろ、最近では珍しい四角いボタンのチャイムを押す
「はい!!」
そうしてすぐに悠くんによって開けられる
「……おはよう、ございます」
「こんにちは!!」
元気な挨拶が返ってきて、腰の辺りに抱きつかれる
いつもだったら止めてくれる影は、珍しく居ない
「あら、白ちゃんいらっしゃい。影なら上で寝てるわよ」
「ぁ、ありがとう、ございます」
「いいのよ、ほら、悠も退きなさい。困ってるでしょ」
「はぁい……」
そう言われて彼はなごり惜しそうにと、私から離れてリビングへ戻って行く
私も、私で2階に向かうために階段へ向かう
影が寝ている……何しようかな?取り敢えず、写真は撮ろうかな?
「写真撮ったら私にもちょうだいね」
「!?」
考えていることがバレて、私は思わずを振り返る
しかしもう夏菜子さんはリビングへ向かっていた
「……分かり、ました」
流石に緊張する……
階段を登り影の部屋の前に付いて思わず深呼吸してしまう
「影、入るよ」
数秒待っても返事はない
意を決して部屋の扉をゆっくり開ける
……ここで止めてくれたら、少し悲しいけど、安心感がある気がする
そんな願い叶わず制止もなく部屋の扉は完全に開いてしまう
そうして部屋に入ってきてすぐにベッドを見る
言われた通り影が丸くなっていて寝ていた
「写真……」
スマホを構えて数十枚写真を取る
撮りすぎ?今後こんなこと、あるかわからない
撮れるうちに撮る
その方が良いって影も言っていた
「ん、これでいい」
もう少しだけ、もう少しだけ
そう思ってもう20分は過ぎている
ただ
「もう、起こさないと……」
ゲームについて、話すために来たのに、このままじゃ何も出来ない
気怠い右手で
「起きて」
「う〜ん」
ずっとつついていると少し目が開く
「おはよう、起きた?」
「……しろ?」
「っ!?」
子供みたい……可愛い
フニャけた笑顔を私に向けているは
その顔を見たら、もともとは男だったと言われても信じる人は少ない、と思う
「いつ〜きたぁ?」
「……忘れた」
「うにゃ」
「猫ぽい。大丈夫?」
「にゃぁ~」
まだ起きてない?
寝ぼけてる……本当に珍しい
「冷たいもの、乗っければ起きるかな」
「え?」
瞬間私の視界は回転していて
ボス、と音を立ててベットへ寝かさせられていた
「ぇ!?」
気ずいた時にはそのまま引き寄せられて抱きしめられて……すぐに寝息が聞こえてきた。
もう私は抵抗する気が起きなかった
「少し、疲れた……」
瞼を閉じればすぐに睡魔がやってきて……
この後2時間程度寝過ごしたのは別のお話
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