31話「おはよう」

 ジジジとベルが鳴り響く

 ボクは目覚ましの音で目が覚める

 だいぶ昔を思わせる目覚まし時計は迷惑にはならないがボクを確実に起こしてくれるぐらいのちょうどいい音が鳴ってくれる

 そうしてボクは目を開けて……


「えっ」


 寝ている白が胸元にいた

 少しだけ記憶を辿れば昨日の夜、白を抱きしめられて抱きしめた

 その事実を思い出した瞬間段々と自分の顔が熱くなっていく


 もう一度胸元を見る

 そこには幸せそうに熟睡する白がいて……


「起こせるわけないじゃん」


 早めに起きたが出れないのでは仕方がない

 だからボクは胸元に居る白を抱きしめて二度寝をし始めるのだった



「影、影、起きて」


 肩を揺すられ

 話しかけられる感じがしてボクは目を開ける


「……おはよう、白」


「おはよう、影。手、どけて。起き上がれない」


「あ、ごめん」


 手をどけると白は起き上がる


「着替えって何処ですればいい?」


「お風呂場で着替えて貰っていい?ボクも着替えとくから」


「了解」


 そのまま着替えを持つと白は一階まで向かっていった

 そのことを確認したらボクもベッドから起き上がる


「ボクも着替えましょうかね」


 そうして自身が着替え終わり少し経ったあと部屋を出る

 素早く行くと鉢合わせになる可能性があるからなんだけど……


「朝は……時間的に味噌汁は作れないし……お吸い物でいいか」


 そんなことを考えていると下から足音が聞こえた


「もう大丈夫か」


 そう思いボクは下へ歩いていく

 今日は初配信もある

 まあ朝に少しやる気出たしがんばるか……


 そうして階段を降り終わりリビングへと出る

 辺りを見ると白はソファーに座っていた


「影、ご飯作るの、手伝う?」


「あ〜……。今日は軽くお吸い物にしようと思うんだよね。何か白は食べたいものある?」


「……卵焼き」


「了解、まあじゃあ箸とか並べるのを手伝ってよ」


「ん、分かった」


 時計を見れば今は7時ちょうどぐらい

 朝ご飯を食べるには最適な時間だ


「あ、一回、悠を起こしてくるから」


 そういいボクは階段を登り寝室までたどり着く

 扉を開けてみると中にはまだ寝ている悠が見て取れる


「悠、そろそろ起きる時間だよ」


 そう言いながらカーテンを開ける


「ん~~おはよう」


 悠は大きく伸びをしたあと挨拶をしてくる


「はい、おはよう。悠、今日朝に何か食べたいものない?」


「目玉焼きとベーコン!!」


「了解。着替えたら降りてきてね」


 そうしてボクはもう一度階段を降り、一階に戻る


「悠くん、起きた?」


「うん、着替えしたら降りてくるってよ」


 それじゃあ二人の要望通り作りますか


「本当に、手伝わなくて、大丈夫?」


「大丈夫、自分のご飯よそって椅子に座ってて」


「了解」


 なんか、心配されるって嬉しいな

 そう思いながら準備を、始めるのであった

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