第二章「初配信とお泊り」

23話「キムチ」

「う〜ん……今4時50分ぐらいか」


 ログアウトしたボクは、見知った天井……もとい自室の天井を見上げていた


「そろそろご飯作らないとかな」


 両親は出張で一週間はボクが料理を作ることになっている


 ベッドから起き上がり自室の扉を開ける

 窓から外を見れば綺麗な夕日が見え、廊下には西日が差し込んでいる


「今日の夕飯、何を作ろうか……」


 階段を降りながら考える

 冷蔵庫に入っているものは使っていいと言われている

 ただ使える食材が多いと何を作るか迷ってしまう

 まあそれほど料理を覚えていないのだが……


「うん?連絡アプリに着信?」


 階段を降りきり通話アプリを開くと朝には無かった連絡がある

 お母さんが書いたのだろう


「内容は……『白ちゃんの家も今日はお父さんがいないらしいから預かってご飯食べさせることになったからよろしくね!!』……はぁ〜〜」


 こういうのは早めに言って欲しいものである

 白はアレルギーや好き嫌いはあまりないから良かった

 これがアレルギーや好き嫌いが顕著な子だったら色々と大変だっただろう


「白の好きなご飯ってたしか……」


「豚キムチ、食べたい」


 そうか、豚キムチが食べたいのか……!?

 いやなんでいるの?


「……びっくりしたじゃないか」


「ごめん。そんなつもり、無かった」


「ならよろしい」


 そういえば悠は豚キムチは食べれたっけ?

 食べれたとは思うけど微妙だな……


「少し待ってて悠に豚キムチで大丈夫か聞いてくるから」


「了解」


 返事を聞きながら階段を駆け上がる

 そうして悠の部屋の前まで行き訪ねる


「悠?居るか?」


「いるよ?お姉ちゃん。どうしたの?」


「今日は夕飯を豚キムチにしようと思うんだがいいか?」


「うん、いいよ!!」


「了解」


 返事を返した後階段を降りる


「どう、だった?」


「大丈夫だってよ」


 返答を返しながらキッチンへ向かう


「……私も、作るの、手伝っえる、ことある?」


「あるけど……手伝ってくれるの?」


「うん」


 エプロンを2つ手に取り一つは白に渡す


「エプロン着たら始めようか」


「ん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る