「眠る子を見て」(閑話、母親視点)③

「悠、もうアイスは駄目よ」


「え〜!!なんで、なんで?」


「もうすぐ晩ごはんなんだからよ」


「ぶー」


 ……気になるわね。

 こんなことならあの子の部屋防音室にしなけれぼよかったかしら


「ママ?どうかしたの?」


「大丈夫よ悠ちゃん。少しお姉ちゃん達を見に行こうね」


「うん!!悠行く」


 多少のお膳立てをしてあげてるからあの子には頑張ってほしいわね


「悠ちゃん、お姉ちゃん達に気づかれないように静かに行くわよ」


「うん!!」


 私のお願い通りゆっくりと歩こうとする悠に少し感動を覚えながらもゆっくりと階段を登る


「悠、もう少し頑張わよ」


「ん……」


 いつもなら「ママだっこして」って言うのに今日は自分で頑張ろうとするなんて……ママ、感激だわ


 少しなれども何かが出来るようになっていることに感動と少しの寂しさを覚えてしまう


「本当に音がしないわね……大丈夫かしら」


「ママ、開けていい?」


「そうね……少しだけ開けてましょうか」


 開けた隙間から見ても誰も見えない、それどころか音も聞こえない……


「あれ、お姉ちゃんは?」


「少し部屋の中に入って見ましょうか」


「うん!!」


 本当にあの子達は何してるのかしら……この部屋の中にはいると思うのだけど


「影、入るわよ」


 あら、誰も居ない……外に行く音も聞こえなかったはずだけど


「ママ、ママ、お姉ちゃんいた」


 悠が言う方を見ると2人が眠っているのが見える


「あら、よほど寝不足だったのね……スマホで撮るべきね」


 スマホを構えて写真を撮る


「ふふ、イラストの題材にしようかしら。悠、そろそろ下いくわよ」


「分かった!!」


「お父さんにも送ろうかしら」


 そうして扉が閉められ部屋の中では小さな寝息が響いていた

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