14話 「さあ戦闘を始めよう」
展開が早すぎる気がしないでも無いがボクのために死んでもらおう。
もうリキャストも開けた。
早めに殺すのも一つの手だが、カウンターをされてしまったら即死は避けられない。
ならば…
「小手調べといこう、『
魔法陣を展開させそこから氷の槍を放つが……
「ふ、生ぬるいわ、ワシを楽しませてくれないかのぉ?」
『
おいおい、まじかよ。
スキル無しで魔法斬ってくるのかよ!?
そもそも魔法はそう簡単に切れるものではないのだ。その魔法を簡単にスキル無しで斬り裂いてくる相手の実力は超人と言えるだろう
「これは面倒くさいやつに当たったな」
「面倒くさいとは……失礼なやつだのぉ」
瞬間、放たれる横向きの斬撃を転がるように避ける。
後ろを見ると斬撃が通った場所の木が数本斬れていた。
まじかよ。これは当たったら即死だぞ?
「っ、危な」
「どうした、小娘。なにか困ったことでもあったか?」
「ふぅ、遠距離戦は駄目だな」
姿勢を低くしナイフを構えで首元目掛けて飛ぶ、が
「ほ、ほ、ほ、軽いぞ、小娘よ?」
キン、と金属と金属がぶつかる音が辺りに響く
くっそ、タダの力押しじゃ押し込まれる……
ナイフと長剣、そもそもとしてステータス差が大きくズルズルと押されている。
「これで……」
ナイフの重心をずらし長剣の狙いを逸らし地面に叩きつけさせる
よし、これで後はナイフを相手の首に突き立てれば……
そうしてボクの放った一撃は空を切った。
「は?っ、がは!?」
綺麗にカウンターを決められ吹き飛ばされる。
数回バウンドしてやっと止まる。
なぜ空振った?確かにナイフは振ったはずなのに。
そうしてナイフを見ると……刃の部分が削り取られたように無くなっていた。
「痛いねぇ。少女の腹を殴るとは相当ぶっ飛んでるな、お前」
「容赦なく首に刺しにきたお前が言うでないわ」
頼りのナイフは壊れ、残っているのは慣れない刀だけ。これでどうやって戦えば……
「……いや、あるな。武器は解決出来る。」
取り敢えず今のHPとMPは……
【HP】4/30(+0)
【MP】6/15(+0)
殴りでこれぐらい減るのか……取り敢えず『HPポーション』と『MPポーション』を使うか……
「うぇ、美味しくはないな、これ」
何か全体的に青臭い味がする……四の五の言ってられないので飲むのだが。
相手は律儀に待ってくれている。騎士道というものがあるのだろうか?
よし、準備は整った。
今できる最大限の仕掛けをした。
「待たせて悪かったね。」
「あの世へ行く準備は出来たか?」
これで負けたら潔く諦めよう。
「ああ、大丈夫だ」
さあそれでは……
「戦闘を始めよう」
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