13話 「5人目」

「くっそ、あいつはどこ行きやがった!?」


「こっちにはいないぞ!?」


 なるほど、さっきまで死角で戦っていたから矢が飛んでこなかったのか。

 よく考えたらめちゃくちゃにガバガバな作戦だよな。

 まあ、ただ気付かれていないなら不意打ちで一人は持っていくか。

狂乱化』バーサクの効果時間はもうとっくに過ぎているせいでさっきと同じことが出来ないが、練習となるので良しとさせてもらおう。

 

「4人目」


「なぁ!?」


 雪原の中を匍匐前進で敵の背後まで移動し、ナイフを心臓目掛けて突き立てる。

 後2人、指揮官の装備が強いのだけが不安要素だが、出来るだけ速く終わらせよう。


「くっそ!?いつからいやがった?これでも喰らえ

急所への一撃クリティカルアロー』!!」


 相手の弓使いから放たれた攻撃はボクの頭を追尾している用に感じる。

 ただ、今の武器はナイフだ。

 刀だったら回避に専念するしかなくなっていたかもしれないが、ナイフで弓矢を撃ち落とすのには慣れている。


「―――ここ。」


 弓矢の軌道を読みナイフを軌道に乗せて斬り裂く。

 何回もやってきたことではあるけれどもやっぱり緊張してしまうな。


「矢を斬った!?クソォォ」


 相手もナイフを引き抜き乱暴に振りながら近付いてきたが、雑な攻撃に当たるほど鈍っているわけではないので攻撃をかわした後カウンターで首にナイフを突き刺す。


「5人目」


「ぐぁ」


 これで後はタイマンだ。



「フハハ、一瞬でワシの部隊を壊滅させたか?」


「――ああ、お前が最後だ。」


「ハッハ、お前のような少女にやられてしまうとは、予想しなかったわい。それではその命、頂戴する」


 ラストバトル。この瞬間火蓋が切って致された。

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