6話 「ありがとう」

 受付が終わりまだ雨の降る駐車場を車へと傘を広げ歩き始める。 


「影」

「なに?お母さん」

「今日人生が変わるような事件があってその体から、もう戻る事はできなくなって……ごめんね」

「別にさ、お母さんが謝ることではないよ」

「でも……それであんたの人生を棒に降ることになったら」


 別にボクは自分の人生よりも、今までボクを救ってくれた人達への支えになればそれでいいと思う。

 だからさ


「ねぇお母さん。ボクはねぇ、貴方達に救って貰え得なかったらもう死んでたかもしれない。だから、ボクを救って、実子と変わらないぐらい、愛情をくれてありがとう」

「はは、そうだね。さ、こんな辛気臭い話は辞めてさっさと帰るよ」

「うん。分かった!」


 早く帰ろう。我が家へ。

 もう雨は上がり鳥のさえずりが聞こえ始めている。


「あ、虹だ」


 やはり世界はボクの新たな門出を祝福しているのかもしれない。



 …………3日後。

 ああ、なにが世界は新たな門出を祝福している、だ。なにが頑張ればいけるだ。


「あんなこと思っわなかったら良かった。」

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