3話 「体の変化」
「っ、はぁはぁ。なんだろう。懐かしい夢をみた気がする」
たしか、昨日死闘の末ボスを倒して、謎の契約をして…
「よし、あの運営。次あったら一発殴ろう」
それぐらいは許されるだろう、多分。
「さて、夕飯でも食べに行きましょうかね」
というか今何時だ?たしか昨日のログイン時刻が13時で今が……6時30分。
「見間違いかな?」
今回かタイマーを確認したが結果は変わらず6時30分。
「やっば!?お母さんに怒られる!!」
いつものように飛び起きる反動を利用しながらベットを降りて…
「いったぁ」
コケた。
それは勢いよく。
それに寝起きのせいか周りのものが大きく見えるし。
てか自分の声がなんか高い?
「あ〜あ〜」
うん。なんかめちゃくちゃ高いし気持ち声が幼い気がする。
さて、ころんだ場合勿論音が出るわけで、階段をバタバタと駆け上がる音が聞こえた。
「ちょヤバ、普通に怒られる!」
来ないでほしい、そんな願いは届かずすぐに扉が開かれる。
「影?昨日はゲームやりっぱなしで夕飯に起きてこないなんて何かあっ た の!?」
「どうしたの?お母さん」
「っ、はぁ。あなたは影であっているわよね?」
「いやいやいやボク以外なんだって言うのさ」
お母さん、何か体調でも悪いのかな?
「そうね、影は自分の変化にたいして鈍いものね。いやでもこれで気づかないなんてことあるのかしら…」
「いや本当に大丈夫お母さん?徹夜とかしてない?」
「まあいいわ。ついてきなさい」
「は〜い。」
なんだろうか。
いつにもましてお母さんが辛辣な気がする。
それにあのいいぐさではまるで僕がいつもの僕ではないような…
「まあ気にしなくても問題ないか」
大丈夫。
ボクだけのことだったら別にボクが耐えればいいだけなのだから。
それにそういうことは得意だし。
「今日は大雨らしいわよ」
「そうなの?珍しい。ボクは雷がならなければいいな」
他愛のない会話をしながらゆっくりと新築の家の中を歩く。
「まだ、悠とお父さんは起きてないの?」
「あの人は休日は遅起きだからね。悠は拗ねてたから構ってあげなさいよ。あとそろそろもう少し崩した言い方でいいのよ?」
「いいよ。お母さん、やっぱりなれないから。」
「そう。ついたわよ」
「は〜い」
さて、お母さんが驚く変化とは何なのだろうか?
「ぬぐぐぐ…見れない」
やはりながら周りのものが大きくなっているらしく鏡が見れない
「あらら。ごめんね。ほら椅子。」
「ごめん。ありがとう」
お母さんから椅子を借りて鏡を見るとそこには自分ではなく美少女が写っていた。写っていた!?
「え?これどうなっての」
まず体型は小柄で身長はめちゃくちゃに縮んだ。
髪は灰色。肌は真っ白で幻想的だ。
それと猫耳と尻尾がついてる……
(略、夢の中で見た少女と同じ見た目になっている)
「影、今の自分を見て一言ある?」
そんな母の問いに対しボクは……
「何このめっちゃかわいい少女は?って思いました。」
「ええ、そうよね。私もここまで現実の人物を描きたいと思ったのは久しぶりだわ。」
普通は二次創作絵しか描かないお母さんがこんなことを言う時点でかわいいのがわかりきってしまう。
「ならもう少し心配してほしかったな」
「いや心配はしたわよ?ただそんなことより内なる庇護欲と激戦を繰り広げていただけで」
「息子の一大事をそんなことしたら呼ばわり!?」
「そこは息子ではなくもう『娘』よ」
「いやそうだけどさ。そうじゃなくない!?」
欲望に正直過ぎない!?
「ああ、もうなんか疲れた。」
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