キメツってる
「出たっ!」
大型のモンスターは俺達ではなく明神隊の方へと現れた。
明神隊のメンバーが魔法を放ちモンスターと交戦に入る。
ダメージからかモンスターの動きは鈍い。
「フォローに入りますか?」
「いえ、明神隊にまかせましょう」
凜が湊隊長に確認するが、俺達はこのまま戦闘を見守ることとなる。
明神隊の戦闘をみている限りでは、まったく問題はないように思える。
他の隊の戦闘を、こういう形で見るのはほぼ初めてなので勉強になる。
ギイイイイン
え⁉︎
俺の至近で金属が擦れる音が響く。
「りんたろ~下がって! 「その羽は刃。数多の敵を切り裂く。我が前に立ち塞がる敵を斬れ。『ウィンドカッター』」
え?
突然の事に思考が追い付かない。
一歩前へと踏み出し後方に首を向けると、そこには角の生えたモンスターとその一撃をセイバーギアで受け止める湊隊長の姿があった。
そのモンスターが狙っていたのは俺の首。
湊隊長が守ってくれていなければ、確実に俺の首は飛んでいた。
そのことを理解して、全身の毛穴が開き身体を冷汗が流れる。
そして、そのモンスターは凜の魔法を喰らって、出血は見られるが、湊隊長と斬り結んでいるその力を緩める気配はない。
なんとか現状を把握し身体を動かしその場から距離を取る。
いったいどこから現れたんだ?
接近に全く気が付かなかった。
俺が明神隊の戦闘に気を取られていたのもあるけど、砂中のモンスターとの戦いが始まった時にはいなかったはずだ。
俺達が戦っている間に近づいていたという事なのか?
「くっそ~、こいつらどこからでてきやがった」
現れた敵は目の前の奴だけじゃなかった。
複数のモンスターが各隊を急襲してきた。
なんだ?
この違和感。
このタイミングでたまたま襲ってきたのか?
俺が経験不足なだけなのか、今までモンスターとの戦闘中にその場にいなかった別種のモンスターが襲いかかってきたことはなかった。
今回は、まるでタイミングを計っていたかのように襲いかかってきた。
湊隊長に助けられたが、俺は完全にやられていた。
今は、そんな事より目の前の敵だ。
はじめて見るモンスターだけどオークと同じくらいの大きさだがその身体は筋肉の鎧に覆われている。
特徴的な額の一本角と口からは長く伸びた牙がのぞいている。
その風貌から直感的に浮かんだ名前は鬼。
もしかして、こいつらはオーガ?
まだ、実際にみたことはなかったので断定はできないが、イメージにあるオーガそのものだ。
ただ、5階層にオーガって出るのか?
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