仕事終わりに

その後、4階層で何度か戦闘がありきりの良いところで切り上げる事となった。

俺自身も結構モンスターも倒す事が出来たし、今日も充実していた。

今日の隊長達はすごかった。

あれを見てしまうと俺は、まだまだだけど今の生活にもそれなりに馴染んできた気がする。

以前と比べての一番の変化は、身体が締まってきた。

これまでも特に太っていたわけではないが、歩いて通勤しているからか、休みの日にランニングをしているからか、それともダンジョンに潜っているからか、その全部の合わせ技か、防衛機構に入ってから、それほど時間が経っているわけではないけど、明らかに身体が締まってきているのを感じる。

この感じ20代前半の時以来だ。

少し、脂肪が落ちたしその代わりに筋肉がついてきているのを感じる。

流石に大仁田さんのような筋肉になる事はないだろうけど、体力の衰えを感じていただけにこのタイミングで身体が締まってくるのは普通に嬉しいし、モチベーションになる。

ふ〜っ、業務報告書も書き終えたし今日の業務はこれで終わりだ。

現実逃避してみても状況は変わらない。

俺は覚悟を決めて凛に声をかけた。


「凛、この後ちょっといいかな」

「え〜っどうかした?」

「いや、ちょっと」

「いいよ〜どっか飲みにいく?」

「いや、今日はお酒のないところでおねがいします」

「そうなんだ。でもりんたろ〜から誘ってくれるのって初めてじゃない?」

「そうかもしれない」

「じゃあ、パスタ屋さんにでもいく?」

「個室があるところがいいんだけど」

「え〜っ、もしかしてりんたろ〜エッチな事考えてる〜?」

「いやいやいやいやいや、そんなはずないから.絶対ないから。本当にないから。神に誓ってないから」

「そこまで否定しなくても……ちょっとショックかも〜」

「えっと……」


女性とのやり取りに慣れていない俺には、この返しに対する正解がわからない。

凛の表情を見る限り怒ってる感じではないけど、これってセクハラか? 俺はセクハラしてしまってるのか?

俺にはそんな気は全くない。個室でどうこうしようなんて破廉恥な考えは一切ない。


「ふふっ、冗談だって〜。りんたろ〜そんな顔しないで」

「あ、ああ、冗談。冗談ね。うん.わかってる。わかってるから」


この一瞬で変な汗が出てきた。

冗談か。冗談でよかった。

最近、学校とか、防衛機構で若い女性と話す機会も増えて、少しは慣れてきたと思ってたけど、やっぱり若い女性と話をするのはおっさんの俺には難しい。

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