第3話 バグる
「あ〜よく寝た。そういえば昨日はステータスチェックするのを忘れてたな。一応やっとくか」
三十歳を超えてからも無駄だとは思いながら誕生日になるたびステータスチェックをしていた。
自分でも未練がましいとは思うけど、完全に生活のルーティン化している。
ただ、昨日は眠かったのと、10年も経てばさすがに諦めが入ってチェックするのを忘れていた。
ちょっと酎ハイ3本は飲みすぎたかもしれない。
「ステータスオープン」
いつもの見慣れたステータス画面が現れるが、そこには見慣れない文字と数字が表示されていた。
花岡修太朗 40
ジョブ 大魔導師
知力59
体力37
技術48
攻撃40
防御43
魔攻999
魔耐999
魔力999
「は……え……なに……これ」
まだ俺は寝ぼけているの?
それとも昨日の酒がまだ残っていて酔っているのか?
酎ハイ3本。
二日酔いしてる感覚はないけど四十歳の身体には飲み過ぎだったか。
気を取り直して、もう一度自分のステータスを見直してみる。
「いやいや、なにかの冗談か? ステータスが壊れた……そんなバカな」
まじか……。
見間違いじゃない。
やっぱり意味不明の表示が現れた。
やばい。
俺のステータスが壊れた。
ステータスって壊れるものなのか。そんなの聞いたことがないぞ。
ジョブ大魔導師ってなんだ?
俺のジョブは昨日までは確かに会社員だったはずだ。いや今だって間違いなく会社員だ。
それが大魔導師⁉
そもそも大魔導師ってなに?
いや意味はわかる。魔法使いの更に上。魔法使いのボスみたいなのだとは思うけど、俺の周りでは聞いたことがない。
大魔導士
しかも魔攻、魔耐、魔力が999ってなに?
俺は魔法を使えないので昨日までは全部0だったはずだ。いや間違いなく0だった。それが999ってなに?
平均値が50のこの世界で999って、そんな値存在するのか?
頭が混乱してしまう。
なんで? どうして? いったいなにが起こった?
俺はまだ酔ってるのか? 理解が追い付かない。
「いてっ」
まだ酔いで寝ぼけてるのかと思いほっぺたをつねってみるが普通に痛い。
ほっぺたをつねるってベタすぎる。
やっぱりおかしい。
必死に頭を働かせようとするが現状が把握できない。
あまりの出来事になにも考えがまとまらない。
「ふ〜。とりあえず缶酎ハイ飲んで落ち着くか」
普段は休日でも朝から飲むと言うことはないが、他にいい案を思いつかないので、冷蔵庫から酎ハイを取り出して飲み始める。
「なんどみても変わらないよな。なんだこのステータス。俺はどうなったんだ。いやどうしたらいいんだこれ」
いや普通に考えたらステータスが壊れたとしか思えない。
いわゆるエラー。
そんなものが存在するのかはわからないが、俺が大魔導師になったというよりは遥かにリアリティがある。
エラーならそれはそれで問題があるよなぁ。
ステータスのエラーが身体に影響したりは?
俺、死んだりしないよな。
考えているうちに怖くなってしまった。
いきなり999とかになるってことは明日になったら0とか表示されることだってあるかもしれない。
やっぱり俺の状況はおかしいとしか思えない。
そうだ、念のために病院に行ってみるか。いやステータスのことだから防衛機構の受付にでも行ったほうがいいか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【作品のフォロー】【評価☆☆☆】で応援してもらえると嬉しいです!
※作品画面の下にある『おすすめレビュー』の『☆で称える』でお願いします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます