第28話:ドールがセックスしたがる理由。
さて「ドールちゃんを守る会」のメンバーが日ノ本家を去る時、唯一の紅一点、
選取りみどりが太陽君に渡したものはラブレターだった。
「あなたのことは人類がこの世に誕生する前から好きでした。
もし、あなたに他に好きな人がいても私は諦めませんから・・・
たとえ逃げても宇宙の果てまでも追っていきます、 みどり」
そう書いてあった。
どうもみてもラブレターじゃなくて脅迫状だった。
太陽君はよりによって、なんで選取みどりなんだと思った。
ドールひとりでも、めんどくさい時があるのに・・・
これに根暗オタクが加わるのかって思うと太陽君は憂鬱になるばかりだった。
太陽君は選取みどりのことは、なんとも思ってなかったからしばらく放置しておくことにした。
それとも選取のことをヨコチをくっつけようかって本気で思った。
オタク同士で話が合うんじゃないかって・・・。
太陽君は気づいてないが、実は太陽君と選取みどりは ※1.オンライン
RPGで繋がっていて、匿名キャラで参加しているため、 お互いを知らないだけで
同じパーティーを組んでいて2人は他の仲間と敵を倒すため一緒に戦っているのだ。
人ってどこで、どう繋がってるか分からないものだ。
※1.オンラインゲームとは、主にオンラインによるコンピューター ネットワークを利用したゲーム(コンピュータゲーム)略して、オンゲー、 ネットワークゲーム、ネットゲーム、ネトゲとも呼ばれる。
さわがしい連中が帰ってから、数日後・・・。
あいかわらずドールは太陽君にべったりだった。
太陽君はドールは発情期の延長かと思っていたけどドールは発情期なんかとっく
に終わっていた。
太陽君はドールが自分にへばりつく姿を朝陽さんと日向さんに
なんとなく、見られたくなくて、自分の部屋に閉じこもることが多くなった。
だから太陽君とドールはいつものように太陽君の部屋にいた。
「ねえ、太陽君、ヨコチンさんが言ってたセックスって?・・・なに?」
「ヨコチン?・・・ああ、あはは・・・ヨコチのことか」
「ヨコチンって・・・あいつにぴったりだな」
「ヨコチが言ってたこと?」
「そんなこと、まだ覚えてるのか?」
「そういうことに興味持ちたがる年頃なのかな、ドールは・・・」
「ヨコチが言ったセックスってのはエッチと同じ意味だよ」
「男の人と女の人が愛し合って、お互いのことを認め合った時セックスって
形で結ばれるんだよ」
「どういうことするの?セックスって?」
「エッチってなに?ってドールに聞かれた時にも言っただろ?」
「またそれを説明するのか?」
「性教育する先生の気持ちが分かるよ・・・」
オブラートに包んだような説明するより、こういうことはちゃんとした専門書を
ドールに読ませるに限ると太陽君は思った。
「じゃ〜私と太陽君はセックスしないの?」
「そんなこと、はその場の雰囲気・・・なんとなく分かる時が来るの」
「その時が来たらね」
ドールはなんでエッチとかセックスに興味持ちたがるんだろ?
その疑問はいつかは俺が問いてやらなきゃいけないんだろうけど・・・。
「ねえ、いつセックスするの?」
「私は日の本家に来て、はじめて太陽君を見た時から、私を捧げるのは太陽君
しかいないって思ってるんだよ」
「いっしょに暮らし始めて、今もその気持ちはどんどん膨らんでる・・・」
「だからね、今は太陽君のことだけ思ってるよ・・・だって愛してるんだもん」
「愛してるって確かめたいんだもん」
それか・・・ドールは本能的にセックスすることで俺の気持ちも自分の気持ちも
確かなものだと確信したいんだ。
つづく。
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