第24話:エッチと言うことの意味。

「太陽君、ポーッとして何考えてるの?」


そう言ってドールは、すぐに太陽君にくっついてきて顔を除きこんだ。


「えっ・・・あ〜なんでもない・・・」


我に返った太陽君はドールの顔を見て愛想笑いした。


ドールも可愛い笑顔で太陽君に愛想笑いした。


笑ってるよ・・・その可愛いくったくのない笑顔。

君がここにいることがそもそも罪なんだよ

僕は君を想うだけしかできなくて、いざとなると怖くて何もできないんだ。


君と出会う前、俺はシミュレーションゲーム中の君に夢中だった。

そのまま架空の世界で君を追いかけていたほうが幸せだったのかもな。


こうして現実に存在するドールはもう架空の世界にいるキャラじゃないんだ。

お互い恋人同士だよねって認め合ってるし、ハグやキスもする。

まじであとはエッチだけ。

こんなあどけない子とエッチなんて考えられるか?


「太陽君、また何か考えてる・・・」


「ごめんごめん・・・ちょっと考え事してた」


「エロっちいことでしょ?」


「俺はいつでもエロいこと考えてるって思われてるんだな」


「だって私も考えてるもん」

「太陽君、いつ私とエッチしてくれるのかなって​」


「エッチってその意味分かって言ってる?」

「なにをするか分かってないだろ?」

「エッチするってそんな簡単なものじゃないんだよ?」

「その意味が分からないと、ただエッチしたいって言われても・・・」


「じゃ〜太陽君が教えて?エッチについて・・・。」


「どうやるのかは教えてあげることはできるけど、その時がエッチする

時だよ」


「ややこしんだね、エッチって」


「そうだね・・・でもドールの気持ちが一番大事だから」

「ただ、エッチ、エッチって言っても、そこにお互いの愛がないとね」


「愛ならあるよ・・・溢れるくらいの」

「私、太陽君のことを思うと胸が苦しくなるの、一秒でも一緒にいたいって

思うもん」

「それって愛でしょ?」


「そうだね、それは俺も同じかな」


よく考えてみよう。

最初にドールが好きになった人は太陽君・・・太陽君のために太陽君の

理想の女の子に変身したんだから・・・。

太陽君に好きになってもらおうと思って・・・頑張った、仲良くなりたくて。

だから最初っからドールは太陽君を愛していたんだ。


そのことがドールを幸せにしているし、本能的に太陽君を求めていた。


「太陽君、エッチしたくなったら言ってね」


とか言われてもやっぱりエッチとなるとそれなりの決心と覚悟がいる。


ドールに優しい言葉をかけられると、ため息が出る太陽君だった。

太陽君は意外と純粋だったからドールの処女を奪うってことに抵抗があった。


ドールが望んでいることは太陽君も叶えてやりたかったけど、男女の問題は

はいそうですかって簡単にかたずけられるものじゃなかった。


つづく。

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