第23話:ドールは発情期。

日の本家に平和が戻ったことで太陽君も学校へ行き始めた。


ドールは太陽君が学校へ行ってる間、光の玉に戻ってご近所を徘徊したりしていた。

そのほうが人から声をかけられることもないし便利だからだ。


ドールは学校にも行ってないし働いてもないし料理を作ったり掃除も洗濯もしない。

バイトもしてないから基本することがないのだ。


暇な時は太陽君の部屋で本を読んで勉強したりテレビを見たりした。

日中はほんとにつまらなかった。

で、最近になってノルは、太陽君が学校から帰ってくると、やたらベタベタ

くっつき始めた。

太陽君のいく先々に、ついてきてはべったりくっついていた。


「太陽君・・・抱っこして・・・」


「抱っこって・・・赤ちゃんみたいに・・・なにそんなにくっついてくるんだよ」

「でもまあ俺としてはキュンキュンきて嬉しいけど・・・」


「だって・・・よく分かんないけど体がムラムラするんだもん」

「太陽君にくっつきたくてしょうがないんだもん」

「体、スリスリしたら気持ちいいんだもん」


「まあ、くっつくなとは言わないけどさ・・・最近はトイレや風呂にまでついて

きちゃってるじゃん」

「なんで、急にそんなにムラムラがはじまったんだよ・・・おかしいだろ?」


「そんな時期なのかも・・・ああ、ムラムラする・・・」


「有機生命体でも盛りがついたりするんだ」


「さかり?・・・さかりって?・・・それなに?」


「あのね、動物とかはね、発情期って言って・・・つまりエッチしたがる

時期があるんだよ」


「じゃ〜エッチしよ・・・太陽君」


「あのね、そう言われたからって、はいそうですかって訳にはいかないの」


「だって・・・このムラムラなんとかしたいんだもん」


そんなふたりの話が耳に入ったのか日向さんが言った。


「あななたち・・・ムラムラだの発情期がどうのって、なんの話してるの?」


「俺じゃなくて、ドールがムラムラするって俺にくっついてくるんだよ」


「だったら太陽がドールちゃんの面倒ちゃんと見てあげなさいよ」


「面倒って・・・どうすりゃいいんだよ」


「そんなの自分で考えなさい」


「ドール、こっちへおいで・・・2階へ行こう」


「あ、リンゴ・・・デザート持って行きなさい」


太陽君は日向さんからデザートを受け取ってドールを連れて2階へ上がった。


「はい、ここに座って」


ふたりしてベッドに座った。

するとすぐにドールが太陽君にへばりついて来た。

ドールにへばりつかれると太陽君はゾクゾクした・・・女の子ってなんて

心地いいんだってもうずっとそうしていたかった。


「さてと・・・どうしたもんかな」

「デザート・・・欲しかったら全部食べていいから・・・」


ドールは日向さんが切ってくれたリンゴを美味しそうにほおばった。


太陽君はドールにエッチしよう」ってと言われたことで、どうしてもドールと

エッチをシミュレーションしとかないとって思った。

ちゃんとできないと困ると思った。


エロいことを考えてると太陽君の妄想は止めどなく広がっていった。


もし、もしもここ先、ドールとうまくいって結婚なんてことことになったら、

人類史上初の宇宙婚ってことになるのか・・・。


あ〜でも、俺たちより先に宇宙婚してる人たくさんいるよな。

珍しくもなんともないか・・・。

でも、今んところ人間と異星人の結婚って、正式には認められないんだよな・・・。

じゃあ、何になるんだ・・・ドールは内縁の妻?。


ってことになっちゃったらドールのご両親に挨拶にも行かなきゃいけないしな。

おいそれと宇宙になんか行けないだろ・・・ええ、どうしよう。

で?・・・生まれてくる子供は?

異星人と人間のハーフだよな・・・俺とノルとどっちの遺伝子を受け継ぐことに

なるのかな。


つづく。


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