第20話:ドールのことが銀河中、宇宙中にも知れ渡る。

ようやく日の本家に平和が訪れたと思ったら今度はマスコミが嗅ぎつけて来た。

一難去ってまた一難ってのはこのことだろう。

次の日、どこかのテレビ局とか週刊誌の人たちらしき人たちがカメラを構えて

日の本家を張り込んでいた。


太陽君はなんで?って思った。

思い当たるのは例のコンビニでの一件?。


なんでマスコミにバレたか・・・それに関しては後で分かったことだが・・・

どうやら昨日のコンビニでドールが男をカエルに変えるところが防犯カメラに

きっちり残っていて、それを誰かがネットに拡散したらしい。

たぶんコンビニの誰か?


面白半分・・・手品かなにかかと思ったのかもしれない。

あんなこと誰も信じない出来事だからな、レジのおネエさん以外は・・・。


太陽君はさっそく立て札を玄関前に立てた。


「取材全面的にお断り、お帰りください」


でも次の日、立て札は虚しく下水の溝の中に無残に落ちていた。

このぶんだと長引くと思った太陽君は、またしばらく学校を休むことにした。


相変わらず家の外にはマスコミが待ち構えていた。


ドールは外に出たいときは、光の玉に戻ってご近所を徘徊したりした。


結局、このことはネットと電波に乗ってドールの存在は世界中に知れ渡ること

となった。

それどころか銀河中、果ては宇宙中にも知れ渡った。


そして某国のヘリまでが日ノ本家の上空を旋回したりして領空侵犯したため

航空自衛隊がスクランブル発進したりした。


もう少しで映画「空母いぶき」みたいに一触即発な事態になるところだった。

自衛隊がもう少し来るのが遅かったら某国のヘリはドールにカエルかナメクジに

でも変えられていただろう。

さすが日本の自衛隊は優秀だったと言っておこう。


って言うかヨコチは、この事態を知って何かを企んでいた。


このドールの能力ってよく考えたら恐ろしい武器だよなって、ふと太陽君は

思った。


ドールが触って念じるだけで核兵器だって作れちゃうわけだろ?

もし、この地球を地面をドールが触って「カエルにな〜れ」って言ったら・・・

俺たちはどうなるんだ?

太陽の周りをカエルになった地球が回って・・・俺たちは冷凍マグロみたいに

なって宇宙を永遠に漂うのかな・・・。


太陽君は考えすぎ。

実際にはドールの能力では地球の質量を変えるほどのチカラは持ってなかった

んだけどね・・・。


太陽君の妄想はどんどん膨らんでいった。


もし、ドールがどこかの国にでもさらわれたら、絶対利用されるよな。

そうなったらもうオタク系SFラブコメディー なんてのんびり言ってられない

よな・・・。


改造されたドラ◯もんが日本の上空を大量に飛んでることを想像してほしい。

恐ろしい光景だよね。

改造されたドールが空を飛んでるとしたら・・・やっぱり恐ろしい光景だよね。

太陽君は、そんな類の本の読みすぎだった。


つづく。

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