第9話:添い寝してあげる。

「そうだよな・・・ドールはなにも悪くない」

「いいから・・・とにかくベッドに寝ていいから」


(俺の部屋から出てってくれなんて、そんな可哀想なこと言えないし・・・)


「俺はベッドの下で寝るからね・・・」


「一緒に寝ようよ・・・添い寝してあげるから」


「添い寝なんて、想像しただけで興奮して出しちゃいそうだよ」

「そう言うの、やめてくれる?」


「え?なにを?なにを出すの?」


「寝る前におしっこ出しとかなきゃいけないなって言ったんだよ」


「ふ〜ん・・・あのさ私たち、恋人同士でしょ?」

「添い寝してなにがいけないの?」

「ちゃんと寝ないと・・・睡眠は万物共通の生理現象だよ・・・」


「ベッド、シングルだから、ふたりはちょっと狭いからさ・・・」


「くっつけばいいじゃない」


「そんなに俺と寝たいの?」


「うん、寝たいね・・・でもエッチはもう少し待ってね」


「なに言ってんの・・・エッチなんて思ってないよ」

「エッチなんかしやしないけど・・・ちなみにだけど、その〜なんで待たな

きゃいけないの?」


「あのね、まだアソコはあやふやなの・・・ちゃんと形成されてないから」

「人間の女の子のアソコなんて見たことないもん、だからちゃんと形に

なるまで時間がかかるの」


「ふ〜ん、そう言うもんなんだ・・・まあ、見たことないものは作れないよな」

「まあ、急がなくていいから・・・出来上がったら言って?」


「言って?ってそれどういう意味?」


「いや、別に意味ないし・・・自分の彼女のことは知っておいたほうがいいと

思って・・・」

「じゃ〜ま、一緒に寝か・・・」


そう言うと俺はドールの手をとってベッドに連れて行った。

俺が先にベッド横になるのを見たドールがブラを取ってパンツを脱ぎ始めた。


「な、なにしてんの?・・・え?エッチしないんじゃなかったの?」


「このままなんかで眠れない・・・余計なものは取っ払って寝なきゃ」


エッチもしないのに裸の女と寝るのか?

まじでか?・・・拷問じゃん。

今のこの状況で白状しろって言われたら全部吐いちゃうね。


ドールはそのまま、布団に潜り込むと太陽君の背中のほうに回って太陽君を

ギュってハグした。


「お〜・・・ほほほ〜そ、そんなにくっつくのか?」


「くっついたほうがヌクヌクでしょ?」


「あのさ・・・背中にデッカいものが当たってるんだけど」


「しょうがないね、太陽君が頭の中でおっぱいのデカい子を作り上げた自分の

せいなんだから、我慢して」


「こんなのやっぱり眠れるわけないよ」


ドールは太陽君をハグしたまま、自分だけあっと言う間に寝てしまった。


え〜寝息が聞こえるよ・・・寝つきのいい子だな。

きっと悩み事なんかないんだろうな。

ってか元々、俺の頭の中にいた子か・・・じゃ〜しゃ〜ね〜か。


ドールが動くたびに、おっぱいが背中に当たって結局、太陽君は寝付けない

まま、まんじりともせず朝を迎えた。


「おはようぅ・・・眠れた?太陽君」


太陽君はボーッとした寝ぼけ眼でなにも言わずにドールを見た。


「いるよ・・・ドールがいる・・・昨日の出来事は夢じゃなかったことだけ

はたしかだな」


「なに言ってるの?寝ぼけてるんじゃないの?」


そう言うとドールは太陽君にキスしようとした。


「な、な、なに、なにしてんの?」


「おはようのキス・・・お目覚めのキス」

「私たち、恋人同士でしょ・・・だったら恋人同士らしいことしなきゃ」

「キスなんて当たり前田のクラッカー」


「そうだけど・・・俺、今まで女の子とキスなんかしたことないぞ」


「じゃ〜記念すべきファーストキスだね」

「おめでとう、太陽君」


「お祝い言われてもな・・・」

「そうか・・・ドールがいるから、もう目覚まし時計はいらないんだ」


それじゃ〜って言うんで太陽君はドールの要望に応えてチュってした。

アドレナリンとドーパミンいっぱい出まくった。


太陽君は自分のパジャマをドールに着せてドールと一緒に階段を降りて行った。


キッチンテーブルで 朝陽さんがコーヒーを飲みながら朝食のパンを

むしゃむしゃほおばっていた。

日向さんはキッチンで朝食の支度をしていた。


「おはよう、父ちゃん、母ちゃん」


「おはよう太陽・・・ドールちゃんもおはよう〜」


朝陽さんと日向さんは同時に挨拶した。


つづく。


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