第7話:日の本家でのドールの存在。

で、太陽君はこれまでの経緯を両親に説明した。

だけど、柔軟な発想を持ってない朝陽さんと日向さんはなかなか信じてくれない。


「あんたアニメの見過ぎ・・・だからそんな妄想思い浮かべるのよ」


「まじでグレたい・・・」

「だから、ほんとなんだってば、事実ドールはここにいるだろ?」


「ドールちゃんね、太陽にはもったいないくらい可愛い子ね・・・もしかして

外人さん?」


「外人じゃないけど・・・地球外出身だから、まあ外人っちゃあ外人かもな」

「ドール、信じそうにないから悪いけど、また玉に戻ってくれる?」


そう言われてドールはまたクルクル回っては光の玉に戻って見せた。


「あらま・・・女の子が玉になっちゃったわよ・・・辛いわ?どうしよう」


「な、これでも信じるだろ?ってか信じろよ」


「ん〜・・・信じがたいことだけどね・・・こんなことってあるのね」


「まあ、化学だけが全てじゃないってことだろ?」

「宇宙は人類だけのものじゃないからね・・・」


朝陽さんは、分かったふうに、いいとこ取りしてまとめてしまった。


ってことでドールは太陽君の理想の女の子のまま自由に家の中で過ごす

ことができるようになった。


早くもドールは日向さんと台所で仲良くなってお手伝いなんかしていた。


そうそうもう、ひとつやっかいなことがあるんだ。


「あのさドール、ドールが俺の家にがいるなんて友達にでもバレたらそれは

それでやっかいなんだよな。

ドールとの経緯や馴れ初めを説明するのも面倒面倒臭いし・・・。


「とくにヨコチにはバレたくないからな・・・」

「ヨコチがドールの存在を知ったら絶対うらやましがられるよ、ってかネタまれる

に決まってるよ」


「親戚のイトコかメイってことにしておけばいいんじゃない?」


「の〜天気だねドールは・・・そんなの、すぐバレるに決まってるよ」


「嘘ついたら、それを隠すために嘘をつくだろ、その嘘を隠すためにまた

嘘つくだろ・・・どんどん取り返しがつかなくなって・・・ しまいには犯罪

に手を染めるんだよ・・・」

「そうやって犯罪は作られていくんだぞ・・・」


「そういう、壊れたオーディオみたいにリピートするなんて俺は嫌なんだ」

「だいいちヨコチは俺にイトコもメイもいないってこと知ってるし・・・」


「誰?そのヨコチンって?」


「ヨコチンじゃなくヨコチ・・・俺の友達だよ・・・俺のは左向きだけどな」


「なに?左向きって?」


「まだ知らなくていいんだよ、そんなこと」

「ドールが俺んちにいたら、いつかはヨコチと会うことになるよ」

ヨコチには隠しきれないかも・・・・目ざといやつだから・・・」


「まあ、もしドールの存在がヨコチに知られたとして、やつのネタみ、は

甘んじて受けるとしてだ・・・」

「これまでのことを、やっぱりまた説明しなきゃいけないと思うとさ・・・」


「イトコとかメイがダメなら養女ってことにすればいいじゃん」


「ダメだって・・・養女なんてことにしたらドールは俺の妹ってことに

なるだろ・・・そしたら絶対ヨコチに狙われるって・・・」

「だからドールは何があっても俺の彼女じゃなきゃダメなの」


「私も養女より彼女のほうがいい・・・」


「あ〜あ、でもな今夜は眠れそうにないよ、俺の理想の女の子が今夜は俺の横で

寝るんだぞ・・・こんなことってあるか?普通」


けどの太陽君の考えは甘かった、当然ドールが太陽君の横に寝るなんて日向さんが

許すわけなかった。


「しょうがない・・・ほとぼりが冷めるまで我慢するか」


太陽君は未だに信じられないようにドールを見た。


「うっ・・・か、可愛い・・・めちゃ可愛い・・・この可愛さは絶対罪だよな」

「しかもおっぱいデカいし・・・もう怖いものなしだな」


「太陽君、怖いことを克服するならエロいことを考えるといいんだって・・・」


「誰がそんなこと言ったの?・・・じゃ〜俺に怖いものなんかないってことだよな」


「ね、スケベだし、エロいもんね」


つづく。

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