銀河の果てからこんにちは。

第6話：問題は太陽君の両親。

「恋人同士っていい響きだな・・・だけどこれで他の女の子と付き合えなく

なったじゃん」

「さすがに俺も浮気やっちゃうほどダメ人間じゃないからな」

「でも、つまみ食いくらいならいいかな？」

「さいってい！！」

「恋人関係、解消しちゃおうかな？」

「ダメダメ、せっかく地球まで来て、俺と仲良くなったんだろ？」

「これは運命だって受け入れたほうがいいって・・・」

「だって、好きになった男はスケベだし最低男だもん」

「あのな、俺の場合はクチだけだから・・・行動に移したりしないよ」

「こう見えても真面目なんだからな・・・知らないと思うけど」

「スケベで最低男だってのは知ってる」

「だから〜それは忘れろよ」

「恋人同士、現状維持な・・・いいな？」

「分かった・・・しばらく様子見る」

まあ、太陽君の頭の中のたくさんいた理想の女の子を整理する羽目に

なったドール。

それでも無事に太陽君の理想の女の子にメタモルフォーゼした。

いろいろ問題もあるみたいだけど、さらなる問題があった。

それは太陽君の両親。

「せっかくだから、お父さんとお母さんに、ご挨拶しとかなきゃ」

そう言ってドールは立ち上がろうとした。

「ダメ、ダメ、ダメ、ちょっと待った・・・それはダメだろ？」

「俺の部屋からドールが出て行って、父ちゃんと母ちゃんにこんにちは・・・なんて

言ったらパニックだよ」

「 それはもうヤバいことになるからね」

「頼むから下に降りるのはやめてくれる?」

「でも、それじゃ私ずっと太陽君の部屋から出られないじゃない？」

「やっぱりこの部屋に監禁されるんだ？私」

「監禁って人聞きの悪い・・・誘拐したわけじゃないからな」

「じゃ〜自由にしていいよね」

「分かったよ、でもな〜絶対言われるよ・・・いつからその子を部屋に

連れ込んだんだって・・・不良息子ってさ」

「何があったか最初っからちゃんと説明すればいいじゃない？」

「事実なんだから・・・ウソついてないでしょ？」

「常識ある大人が、今起きてるような話、信じると思うか？」

「誠意を込めて説明したら分かってくれるって」

「ね、当たって砕けろって言うでしょ？」

「ドールはノ〜天気でいいな」

「なんでもいいの、いずれは話さなきゃいけないんだから」

「砕け散ってバラバラになりそうだよ」

そんな訳で、太陽君は意を決して、朝陽さんと日向さんにドールを紹介する

ことにした。

両親がいるキッチンに二階から降りていった太陽君とドール。

当然、朝陽さんと日向さんは、降りてきたふたりを見る訳で・・・

と日向さんは太陽君の後ろにいるドールを見て開口一番

「あら太陽・・・どなた、その子？・・・同級生の子なの？」

「って言うか、その子いつの間に来てたの？」

朝陽さんは我関せずみたいに黙って様子を見ていた。

「同級生の子じゃないよ・・・あのな、これには深い訳があるんだ」

「なに？同級生の子じゃないならなに？」

「まさか太陽・・・見ず知らずの子を部屋に連れ込んだの？この不良息子」

「ほらな・・・絶対こうなると思ったんだ」

で、太陽君はこれまでの経緯を両親に説明した。

だけど、柔軟な発想を持ってない朝陽さんと日向さんはなかなか信じてくれない。

「あんたアニメの見過ぎ・・・だからそんな妄想思い浮かべるのよ」

「まじでグレたい・・・」

つづく。