第4話:太陽君の脳みその中の女の子たち。

「太陽君・・・え〜頭の中にいる理想の彼女って何人いるの?数が多すぎて、

どの子に変身したらいいのか決められないよ」

「わ〜野外コンサートに来てるみたい」

「まじ変態だね、太陽君」


「誰が変態だよ」


「女の子いったい何人いるの?、よくこれだけの数よく集めたね」

「出会った可愛い子みんな拾って来たんじゃないの?」


「俺の脳みそはそれほど許容範囲デカくないよ」


「ちょっと一度太陽君の脳に入るね」


「入るって?・・・」


そう言うとドールは太陽君のおでこから頭の中に入っていった。


「わあ・・・入ってちゃったよ・・・大丈夫か?俺」


「わ〜すごいね〜・・・これ全部女の子だ」

「たくさん、い過ぎて遠くの子は豆粒みたい・・・まじ屋外コンサートの

観客みたいね・・・」

「こら、そこのふたり喧嘩しない・・・」


「そんなにいるのか?・・・ちょっと大袈裟じゃないか?」


「この子たち全員太陽君の理想の女の子なの?」


「まあ、ガキっちょの頃から、この子いいな〜って思ったら

脳みそにインプットして来たから、その子たちがまだいるんじゃないか?」


「たいした能力ね・・・とにかく選別して!!」


「選別?・・・選別って・・・ヒヨコじゃないんだぞ・・・」


「子供の頃の古い子は捨てて・・・」


「捨てるなんてそんな非人道的なことできねえよ」


「あのね、整理していかないと、そのうち脳がパンクするよ」

「最終的にこの子って子をひとりに絞ってもらわないと変身できないよ」


「ちょっと待てよ・・・ひとりって・・・あと全部捨てるのか?」

「もったいない・・・」


「もったいないなんて言ってる場合か・・・ボケ」

「遊び人でも新しい彼女ができたら身辺整理するでしょ」


「そんなことよく知ってるな?」


「バカにしてる?」


「はいはい、わ〜ったよ、やりゃいいんだろ?」


それからが大変・・・太陽君はお気に入りの子をなかなか捨てられず

整理するのに、約一時間あまりかかった。

その間ドールは太陽君の頭の中で女の子を整理分別していた。


「まあ、すっきりしたわね・・・残り五人よ・・・頑張って!!」


「まじで〜どの子も捨てがたいな〜」

で結局、迷い迷って太陽君は、がんばって女の子を二人にまで絞った。


「あと、ふたりだよ・・・ほら休憩なんかしないで・・・」


「ん〜どっちもな〜甲乙つけがたいな〜・・・選べないな」


「太陽君・・・よ〜く見たら、この子たちふたり、同じ子じゃない?」


「え?・・・まじで?」

「あ、本当だ・・・まったく同じ子が残ってるわ」

「双子じゃないか?」


「同じ子がふたりもいるって、よほどこの子たちが気に入ってるんだね」


「じゃこの子たちの、どっちでもいいわ・・・残ったのは俺の理想の子、

最高レベルの子だよ」


「じゃ〜一人は消して・・・」


「ふたりともって訳にはいなないよな?」


「ふたりになんか変身できる訳ないでしょ・・・ほんとにボケまくりだね・・・」


で、結局、一人消されて、一人が残った。


つづく。

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