第6話公開処刑


 王城前の広場に設置された公開処刑場の舞台の上で、リッカルド王子が声を上げた。


「アモルファス王国の民どもよ。しかと聞け。ここにいるユーフォニア・ファキネッティは国家反逆を謀った大罪人である」


 一呼吸おいて王子はさらに声を張り上げた。


「国家反逆罪は死刑である!!」


 おおおおっ!


 ざわめきが民衆たちの間に広がっていく。


 リッカルド王子の取り巻きに両腕をつかまれて、ユーフォニアは断頭台の上に連れていかれた。


 断頭台の上から周囲を見渡すとよくわかった。


 リッカルド王子と彼に忠誠を誓う取り巻きたちの傲慢さ、扇で顔を隠しているが喜びを隠せないアンベリアン。


 扇動されて集まったであろう民衆たち。


「刑を執行せよ!」


 王子が命令すると同時に、騎士が慌てた様子で割り込んできた。


「大変です、殿下!」


「なんだ? 今いいところなんだ」


「クェイルが…、クェイルが王都に接近しています!」


「なに! クェイルだと!」

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