第6話 後輩ちゃんと罰ゲームマッサージ

「せ~んぱい?」


「どーです? 背中乗られちゃってる気分は?」


「お馬さんみたいな気分じゃないですか?」※囁き声


「でも安心してください。せんぱいをいぢめようって気はないですから」


「せんぱいには、きもちよーくなってもらいたいだけです」


「にゅふふ、これじゃ罰にならないと思ってませんか? それがなっちゃうんですよ~。莉々菜の手できもちよーくなったせんぱいは、莉々菜にだらしない顔を見せることになっちゃうんです」


「せんぱいは恥ずかしいですよね? でも莉々菜はせんぱいのそういう顔見てると、とっても気持ちよくなっちゃうんです」※囁き声


「ほら、ちゃんとせんぱいへの罰になりますよね?」


「うふ、これじゃ莉々菜がなんかSの人みたいです」


「全然違うんですけどね、莉々菜はせんぱいも御存知の通り――」


「って、そ、そんなことは今はいいんです!」


「じゃあこれから莉々菜は、せんぱいに痛くて気持ちよくて痛いことしちゃいますから」


「まずは背中ですね。莉々菜の……ゲームで鍛えたこの指で、ぐいぐい指圧しちゃいますよ」



(肩甲骨あたりのマッサージ:開始)



「 (頑張って背中を指で押す時の長い呼吸音:『ぐっ、ぐっ、ぐ~っ』と背中を指で押している声中心。丁度いいところで、『せんぱい、肩のところカチコチですよ? 勉強で同じ姿勢取り続けてたんじゃないですか?』とか『せんぱいの背中は……おっきくて広いですから……押すだけでも大変ですね……』と言う。後半は息切れしかける呼吸音) 」



(肩甲骨あたりのマッサージ:停止)



「ふ~っ、とりあえずこんな感じですかね」


「本当は腰のところも指でぐ~ってしたかったんですけどー、莉々菜の指の方が先に痛くなっちゃいました」


「これじゃどっちが勝者かわからないですよー!」


「しょうがない。代わりに機械の力に頼っちゃいましょう」


「せんぱいはまだじっとしてなきゃダメですよ~?」※囁き



(膝立ちでベッドを移動する莉々菜)



「確かこっちの方に……」


「じゃん、これです!」


「なんです? せんぱい。その顔は? そんな驚くようなことですか?」


「莉々菜は座ってることが多いですから、いつでもマッサージしてコリをほぐせるように、手元にマッサージ器具を置いてあるんですよね!」※得意気に


「……うーん、どうして信用してなさ気な顔なんです? 莉々菜がマッサージ器具を使うことがそんなに変ですか?」


「でもこれ、本当に気持ちいいんですよ? 疑り深いせんぱいには、実際に使って効果をわかってもらうしかないですね。せんぱいはそのままうつ伏せでいてくださいね~。スイッチ、オン!」



(マッサージ器具の駆動音)



「じゃあ腰を気持ちよくしちゃいますよー」


(少しの時間、器具による腰へのマッサージ:開始)



「 (腰に器具を当てていく莉々菜:『どうです? 気持ちよさをわかってくれましたか?』と訊ね、『ねえ、せんぱい、思ったことがあるんですけど』と言ったところで停止) 」 



(少しの時間、器具による腰へのマッサージ:停止)



「もしかして、莉々菜がなんか変な目的でこれを使ったとか思ってませんか?」


「いえ。せんぱいの表情がなんだかとってもいやらしかったので」



(耳元で責めるように囁き始める:開始)



「ねえ、せんぱい?」


「どうなんです?」


「せんぱいはむっつりですから、きっとなにか意味があるはずです」


「本当のことを言ってくださいね。言わないとー、疑惑のこの器具でせんぱいをマッサージ地獄に落としちゃいますから♡」


「わかった。きっとえっちなことですよね?」



(耳元で責めるように囁き始める:停止)



「あわわ! 突然立ち上がろうとしないでくださいよ! せんぱいから落馬しちゃいます~」



(ベッドに転がり落ちる音)



「もうっ、せんぱいってば乱暴なんですから」


「えっ? せんぱい、どうしてマッサージ器具を持って? あっ、なんです、スイッチオンにしようとして!」



(マッサージ聞く駆動音。莉々菜へ近づいていく)



「わーっ。やめてください~」

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