第4話 後輩ちゃんと甘々ASMRごっこ
(ベッドに腰掛ける二人)
「ところでせんぱい。ヨムちゃんはASMRの配信もしてるの知ってますよね? そうです、そうです。この前せんぱいに話しましたよね。眠れない時なんかとーっても重宝するんですよ?」
「え? 違いますよ。ヨムちゃんのASMRを聞いてもらおうってわけじゃないです」
「だって、せんぱいにはとーっても声が可愛いカノジョがいるじゃないですか?」
「リアルカノジョの生ASMR、体験してみたくないです~?」※囁き声
「あっ、なんですかー。したくないって言ったって、本当はしたいってわかってるんですからね」
「ふふふ、そうです。素直が一番です。じゃあせんぱいは、ベッドに腰掛けてくださいね」
(ベッドが軋む音)
「よいしょっと。あのですね、今からせんぱいには、ダミーヘッドマイクくんになってもらいますね」
「莉々菜はせんぱいの後ろにいるので、右耳に左耳にそれぞれ囁いちゃいます」
「ふふふ、なんて言ってほしいです?」
「えっ、莉々菜のセンス任せですか? うーん、それだとせんぱいに好き好きずーっと言っちゃうことになりますよ?」
「わかりました。ていうか、せんぱいもやっぱりお疲れなんですね。でも安心してください。莉々菜がしっかり癒やしてあげますから、せんぱいはじっとしててください」
「じゃ、初めますよー」
(耳元で囁き声:開始)
(以下、左耳に囁く)
「せーんぱい♡」
「ふふ、せんぱい、聞こえますか~?」
「こうやってですねー」
「左のお耳も右のお耳も、どっちも幸せにしちゃおうと思いますので~」
「せんぱいはー、目をつむってー、体をらくーにして莉々菜の声に集中してくださいね?」
「うふふ、なに言おうかなー」
(以下、右耳に囁く)
「莉々菜のアドリブなんでー、なに言うか考えるために間が空いちゃうのは許してくださいね?」
「今日も、おつかれさまでーす。せんぱいは毎日早起きしてー、遅刻もしないで学校へ行って、本当に凄いと思います。そういう当たり前にできるはずのことって、案外当たり前にできないですから」
「最近はテストの成績もいいみたいじゃないですかー? 毎日コツコツ頑張ってる結果が出てますよね。やっぱり、せんぱいみたいに少しずつ頑張って結果を出す方が、莉々菜からすればなんか信用できちゃうんですよねー」
(以下、左耳に囁く)
「そうそう。せんぱいはこの前、自分にあまり取り柄がないみたいなこと言ってましたけどー」
「そうやって毎日頑張れるってだけで、立派な取り柄だと思いますよ?」
「莉々菜のところにだって、いつも通ってくれますし」
「……どんな時でもちゃんと来てくれるのって、すごく安心できて、すごく嬉しいことなんです」
「せんぱいは、ほんとーに凄い凄い人です」
(以下、右耳に囁く)
「どうです? 自信、付けてくれました?」
「普段はこういうこと、思ってもなかなか言えませんからねー」
「これに乗じて、好き勝手言っちゃおうってわけです」
「今、好き、なんて言われたら、どうしちゃいます?」
「超至近距離ですよ? 脳みそにすぐ響いちゃいますね?」
「好き好き言われすぎて、おかしくなっちゃうせんぱいも見てみたいなー」
「こほん。じゃあ、行きますねー」
「莉々菜はー、せんぱいのことが、だーい好きです」
「好き」
(左耳に囁く)
「うふふ、なんかせんぱい、背中がふにゃっとしちゃってますよね」
「効いちゃってます~?」
「だめですよー、体がグラグラしちゃったら、お耳に囁きにくいんですから~」
「そうやってグラグラされちゃうとー、お耳に唇が当たって、ちゅーしちゃうかもしれませんよ?」
「莉々菜は一番気持ちよく聞こえるようにしたいので、しっかり背中を立たせてください」
「ふにゃふにゃじゃ嫌ですよ~?」
「うふふ、でも、それだけせんぱいに刺さってるって証拠ですよね?」
「そんな、莉々菜の好き好き攻撃に弱々なザコせんぱいでも、だーい好きですよ?」
(以下、甘える感じの声)
「せんぱいのことが、好き、好き、大好きです」※右耳
「せんぱいがいない時、お部屋で一人でいる時は気を抜くとすぐせんぱいのこと考えちゃいますから」※左耳
「それだけ莉々菜を好きにさせちゃうなんて、せんぱいも罪な人ですよね」※左耳
(耳元で囁き声:停止)
(ベッドを降りて、主人公の前に周り込む莉々菜)
「ふー。どうですか、せんぱい? 堪能できちゃいました?」
「わ。ふふふ、お顔とろっとろじゃないですかー」
「そんなみっともない顔して、カッコ悪いせんぱいです」
「でも、莉々菜はせんぱいのそんな顔、大好きですよ? だから莉々菜以外の前では絶対に見せないでくださいね?」
「せんぱいは莉々菜だけのものですし」
「莉々菜も、せんぱいだけのものですよー?」
「うふふ。よくできたカノジョですよね?」
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